NLRAポスター掲示義務
人事管理エクスプレス332号で全米労働関係委員会(The National Labor Relations Board – NLRB)の「従業員の権利に関する」条例実施に伴ない、ポスター掲示を11月14日からとお知らせしましたが、2012年1月31日まで延期された。
この条例はObama大統領のExecutive Orderにより2009年1月30日に署名されたもの。
ポスターのダウンロードは下記のサイトから入手できるので一般的には特に購買の必要はない。
Poster Downloads
PLEASE NOTE: The poster is required to be 11 x 17 inches, in color or in black-and-
white. When printing to full size, be sure to set your printer output to 11 x 17. Or you may print the two 8.5 x 11 pages and tape them together.
English version
●Employee Rights Under the NLRA poster, two-page 8.5 x 11 version (pdf)
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-8-5×11.pdf
●Employee Rights Under the NLRA poster, 11 x 17 version (pdf)
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employee_rights_nlra.pdf
Spanish version
●Spanish language poster - two-page, 8.5 x 11 version (pdf)
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-8-5×11-esp.pdf
●Spanish language poster - 11 x 17 version (pdf)
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-11×17-esp.pdf
2012年健康保険コスト
Mercer Consultingが行なったサーベイによると、2012年の健康保険コストの値上がり予測は平均で5.4%、これは1997年以来の低水準となるが、依然としてインフレ率や昇給率と比較すると大幅に上回っているのが現状である。
健康保険については、控除額の引き上げ、プランの変更、従業員負担の引き上げなど雇用主及び従業員双方の大きな関心事であり懸念事項となっているのは周知のとおりである。
Mercerが行なっている過去5年間における値上がり率の予測サーベイについて、雇用主からの回答の平均は9%+で推移してきており、2012年の予測がスローダウンしてきているのは雇用主、従業員双方にグッドニュースと言える。
しかしこの予測率も雇用主が全て負担できるとは限っていないため、引き続きコスト削減を模索することは避けられないと思われ、サーベイによると雇用主は、扶養家族の負担増36%、従業員個人の負担増33%などを視野に入れて検討している。また33%が控除額、毎回の診察時の支払い額を引き上げることを検討している。
ちなみに過去5年間のPPOにおける控除額の平均は従業員500名以下は$1000ドル、500名以上の企業においては$500という結果になっている。
今回のサーベイは全米約2000社からの回答結果をまとまたもの。
5州で最低賃金引き上げ
5州において最低賃金の年次アジャストメントが行なわれこの度発表された。
5州および最低賃金の変更は下記のとおり、また2012年1月1日から実施される。
●Colorado—increase from $7.36 to $7.64 per hour
●Montana—increase from $7.35 to $7.65 per hour
●Ohio*—increase from $7.40 to $7.70 per hour
●Oregon—increase from $8.50 to $8.80 per hour
●Washington—increase from $8.67 to $9.04 per hour
*Ohio州では年間の売り上げ金額を設定しており、それ以下の場合は連邦の定める最低賃金(現行は$7.25)が認められている。2011年の年間売り上げ設定金額は27万1000ドル、2012年は28万3000ドルとなる。
またArizona、Florida、Missouri、Vermontの各州も年次アジャストに入っており1ヶ月以内には発表される予定となっている。
雇用主は従業員に長時間勤務を期待
Towers Watsonが全米の企業300社を対象に行なった「Talent Management and Rewards Survey」によると、3分の2を超える企業が従業員に「もっと長く働く」ことを期待していることが明らかになった。
Towers WatsonとWorldatWorkのサーベイでは、65%が過去3年間において勤務時間が長くなっていると回答、また53%がこの傾向は今後3年間の継続を予測していると回答している。
サーベイはまた56%が、長時間の勤務が身体の健康と個人の生活のバランスを維持して行けるかどうかの懸念を持っているとも回答。
さらに生産性(39%)、従業員のリスクテイク(37%)などにも懸念しており、66%が報酬、従業員維持、組織改革、職務評価・適正など人事関連の変更を実施していることも明らかになった。
Towers WatsonのLaurie Bienstockは、「短期的な観点においては勤務時間増による従業員の生産性は増大するが長期的な観点における長時
間勤務は健康状態や従業員維持などに悪影響となる」、「多くの従業員はリセッションで様々な変化、変更を余儀なくされてきている。労働市場が回復した際には、報酬や従業員維持、従業員サポートなどに気を使わなかった企業は離職率が激増することも予測されている」とコメント。
WorldatWorkのVice President、Ryan Johnsonは、「経済が軟調な時期においては、長時間勤務や追加的な仕事を遂行することについて従業員はそれほど気にはしない。しかしそれが数年に及ぶような場合、また状況が好転してきた場合には現状を良しとしなくなる。その時点において優秀な従業員を維持するための条件やサポートを会社がどのように提示できるかは極めて重要である」とコメントしている。
過大評価されてる職業と収入
CareerCast.comは過大評価されている職業と収入のリストをこの度発表、Corporate Executive、Surgeons、Physiciansがトップ3にランクされた。
CareerCast.comのTony Leeは、「今回リストされた職業については一定の収入や身分などを保持しているものの下降気味の傾向にある。Senior Corporate Executiveの平均年収は16万1141ドルとなっており、トップにランキングされた理由として、ストレスの多寡、不安定さ、長時間勤務が家族に与える影響などであった」とコメント。
CareerCast.comの「過大評価されている職業」のレポートは、ストレスが多く、身体的な要求度も高く、雇用の需要度が安定していない、などの項目を基準としてリスティングされたもの。
下記は今回発表されたリストと平均年収。
1.Corporate Executive (Senior), $161,141.00
2.Surgeon, average income $365,258.00
3.Physician average income $192,065.00
4.Psychiatrist, average income $160,242.00
5.Airplane Pilot (Commercial), average income $106,153.00
6.Attorney, average income $113,211.00
7.Architect, average income $73,193.00
8.Stockbroker, average income $67,470.00
9.Real Estate Agent, average income $40,357.00
10.Photojournalist, average income $40,209.00
11.Flight Attendant, average income $40,184.00
12.Advertising Account Executive, average income $62,105.00
採用前の重要項目
Houstonの弁護士Charles H. Wilsonによると、社内に顧問弁護士を持つ中小企業はほとんどなく、これらの企業が人材を採用する場合に事前の留意点として重要な項目が4つあると指摘する。
雇用主は新規採用の従業員について法的問題の発生の可能性を排除すべきであり、そのためには下記の4項目について特に留意すべきであると述べている。
1)応募者の前職における「Noncompete」、「Nondisclosure」、「Nonsolicitation」についての契約の有無
「裁判で知らなかったと弁解は出来る。しかし新規に採用した従業員はあなたの会社を代表、あるいは代理として外部と折衝する」、「したがい新規採用の従業員が前職との契約違反が発覚した場合、貴方の会社は前職の会社に対する責務を負う可能性があり、もし前職の会社があなたの会社を提訴したら、弁護するための費用、ビジネス上の混乱などダメージは計り知れない」。
応募者にそのような契約が前職とあった場合には、内容を厳正にチェックする、たとえば競合他社で勤務しないという場合、該当する州だけなのか、あるいは全米なのか、期間は1年以上なのか以下なのかなど。勧誘の禁止については新規の顧客へのサービスにフォーカスすることにより問題が発生することはない。
2)有効なソーシャルネットワーキングのポリシーの有無
ソーシャルネットワーキングのポリシーは「厳格にハラスメントや無礼な内容を禁止する」ことが重要であるとWilsonは言う。
応募者に採用内定に通知を出し、その応募者がFacebookにポスティングし、前職の会社について遠慮容赦のない無礼な内容を書いた場合、この従業員が転職した場合にはあなたの会社がターゲットとなりうる。そして’もしこの従業員の採用を取り消せば報復措置として提訴される可能性が残ることになる。
またソーシャルネットワークは様々な応募者が混在しているためWilsonは、募集活動のソースとしての利用は薦めていない。
3)Status
労働基準法(FLSA)に基づいたステイタスでExemptかどうかの確認をすべきである。労働省はExempt従業員の分類についてさらに厳格になるとWilsonは言う。どのような理由でExemptに分類しているのか、必要な場合にはそれらの記録管理の書面が求められることもあるという。必要であれば現職の従業員について職務内容、給与などExemptの分類が合っているかどうかを確認すべきである。これはIndependent Contractorの分類も同様である。
4)バックグラウンドチェック
あなたの会社がビジネス上繊細な顧客との取引がある場合には、採用前に応募者の逮捕歴や有罪判決などのバックグラウンドチェックはやるべきである。Wilsonは、EEOC(雇用機会均等委員会)が提起する応募者の逮捕歴や有罪判決などのバックグランドチェックについてトリッキーな部分や限界があることは認めており、これらの応募者を自動的に不採用とすることは場合によって雇用主に大きなダメージとなることも認めている。したがいビジネス上から不採用とする明確な根拠と理由付けが求められることになる。
学校、病院のヘルスケア従業員、老人ホーム、法律の執行役員などはその典型であるとWilsonは言う。
Californiaの条例では応募者の2年以上前のマリファナ所持による逮捕歴、Texasは年収7万5000ドル以上のポジションの応募者のバックグラウンドチェックは7年まで遡れるがそれ以上は出来ない。いずれにしてもそれぞれの州の条例を参照し遵守しなければならないため必要に応じ専門家のアドバイスを仰ぐべきであるとWilsonhは結んでいる。
(Q) & (A) Vacation
(Q)当社のバケーションポリシーは前年に平均で週32時間の勤務実績と設定している。しかしある従業員が週30時間となっている。理由は仕事上の怪我でWorkers’ Comp.により5ヶ月間の欠勤を余儀なくされたためである。この場合5ヶ月間におけるバケーションの蓄積は生じるのか?
(A)バケーションの蓄積は発生しない。これは条例でWorkers’ Comp.による欠勤期間の有給は蓄積されないと定めている。
差別的な措置を避けるために、過去の事例がある場合にはその事例を参照し、同様の措置をしなければならない。
(Q)当社では有給休暇のポリシーを変更しようと考えている。従業員が休暇や欠勤の期間における有給休暇は蓄積されない内容に変更したいと考えている。この場合どのように従業員に通知をすべきか?
(A)最初に州法、連邦法いずれにおいても雇用主が従業員に有給休暇を提供することは義務つけていない。しかし一度提供した休暇については従業員の権利となるのが通常の解釈である。したがい過去に提供した休暇については変更できないため、今後提供される休暇についてのポリシーの変更となる。おそらくEmployee HandbookあるいはPolicyの変更を検討していると思われるので、個々の従業員からHandbook、Policyについて理解と了承した旨のサインを取っておくべきである。
(Q)当社では従業員の休暇を PTO Bankで利用しているが、このポリシーを2012年1月1日から変更する予定でいる。現行では蓄積できる休暇日数にリミットはないためリミットの設定を考えている。多くの州ではリミットを越えた休暇については使用しない場合に消滅する、「Use-it-or-loose-it」のポリシーが合法となっているがCaliforniaでも同様のポリシーの導入は出来るか?
(A)可能である。Californiaにおいても年次休暇の1.5倍、あるいは2倍とかというリミットを設定出来る。しかし過去に蓄積した休暇日数については提供の責務があるので、新しいポリシーからリミットを設定した内容のものにすることになる。
セクシャルハラスメント
EEOC(米国雇用機会均等委員会)はTexasの歯科医療機関のSmile Brands of Texas, LPをセクシャルハラスメント行為があったとして提訴していたが、同社が17万5000ドルを支払うことで和解したと発表した。
EEOCによると、男性歯科医は同クリニックに勤務を始めたアシスタントや衛生担当者などに性的コメント、体に触れる、また女性患者にも性的コメントなどの行為が頻発したという。
さらに従業員2人が苦情を申し出たこと、1人の従業員はそれに耐えられず異動願いを申請したにもかかわらず、会社側は検討すら行なわなかったことが明らかになっている。
今回の和解でSmile Brandsは17万5000ドルの支払いと、6箇所のクリニックでマネージャーへのハラスメント禁止トレーニング、苦情があった場合の調査手順の確立を従業員に通知することが義務付けられた。
EEOCの弁護士Devika Sethは、「適正な教育を受けた歯科医が権限を利用して起こした今回のケースは法外なことであり決して見過ごされることではない。それぞれの立場にいる人達は、ハラスメントを含む差別行為は許されることがないことを自覚すべきである」とコメント。
レストランのチップ配分
Massachusetts州Fall RiverのMcGovern’s Restaurantはチップの配分と記録管理で連邦の条例に違反しているとして賠償金、罰金併せて23万6000ドルの支払いが命じられた。
Massachusetts州の検事局は同レストランの従業員から適正なチップが支給されていないとの苦情申し出を受けたことから調査した結果、事実が明らかになった。
Massachusetts州でははバンケットからサーバーの担当者までチップを適性に配分することが条例で求められていること、また顧客へのサービスを行う従業員、ウエイター、ウエイトレス、バーテンダー以外はチップの受領は認められていない。
McGovernではそれらの従業員へのチップの支払いをごまかしマネージメントが受領していたことが明らかになっており、23万6000ドルの支払いのうち、19万4435ドルについては従業員に再配分、4万ドルの条例違反の罰金、2000ドルの記録管理違反となった。
Massachusetts州の検事局は、「チップは従業員への報酬でありマネージメントのものではない。顧客サービスの従業員にとってチップは主要な収入であり100%彼らに還元されるべきものである」とコメントを発表している。
年齢差別
Texas州で学生向けの住宅開発業者Collegiate Development Services (CDS)は年齢差別と報復的措置の訴訟について5万ドルを支払うことでEEOCと和解したことを発表した。
EEOCによると、CDSのマーケティングディレクターはアシスタントマネージャーに、学生のアパートを管理する62歳の女性プロパティマネージャーは高齢すぎて学生との年齢差がありすぎるとして交替するよう指示した。
これを知ったプロパティマネージャーは会社に苦情を申し出たが、1週間後に解雇される結果となった。アシスタントマネージャーも解雇を知り、彼女だけを解雇するのは不当だとしてディレクターに抗議したが聞き入れられなかったという。
プロパティマネージャーはEEOCに提訴、調査の結果事実が明らかになり会社側の敗訴、和解する結果となった。
さらにEEOCが調査した結果では、学生たちはプロパティマネージャーの仕事について大変感謝していたことも明らかになっている。
EEOCの弁護士、Roberto Caninoは、「職場において年齢による差別的行為はビジネスの可能性を摘み取るものであり一切制限してはならないことである。偏見により結果として収入を奪うような行為は会社に更なるダメージを与えるだけである」とコメント。
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