人事管理エクスプレス

12ヶ月のインフレーションは1966年以来の低水準

労働省統計局(BLS)は5月19日、エネルギー、食品を除く12ヶ月間(2009年5月~2010年4月)のインフレーションは0.9%で1966年以来の低水準であると発表した。

価格変動のしやすい食品およびエネルギーを含む全体の消費者物価指数は2.2%上昇したが、ガソリンが38.3%、燃料費が28%したことが大きな要因であるとBLSは特記している。

アナリストによれば、インフレーションがスローダウンしたのはリッセションの影響であることがはっきりしているが、それでも2010年の現状は少々異常に見えるという。
UBSのエコノミストMaury Harrisは、「一時的に新車、トラック、衣料品、タバコ製品などの低価格が大きなインパクトを与え、誤解かもしれないが、特殊要因が今年の第一四半期のインフレーションの減速を引き起こしているように見え、正常な状態に戻ることを期待している」、「今後についても安定した低インフレーションが持続することを期待している」と述べている。

 

 

大学の新卒採用は減少

SHRM(Society for Human Resource Management)が行なった調査によると、米国の経済状況による労働市場の縮小で大学の新卒採用は激減していることが鮮明となった。

SHRMのメンバー30%を対象に行われた今年4月の調査は、過去3ヶ月間に2010年の大学卒(あるいは卒業予定者)を採用したかどうかを訊ねたもの。

それによると2009年の回答では39%が採用したが今年はそれを大幅に下回った。
大学院生についてはそれほどの減少ではなく2009年の22%から2010年は20%という結果であった。
大きな理由は、企業が必要としている人材は実務経験が必須の即戦力であるとした回答が65%に上った。また74%の企業が大学の新卒はフルタイムで採用すると回答している。


さらに1年前は、74%の企業が募集予定なし、13%が2010年は採用凍結、15%が大卒の資格は必要がない人材を必要としている、4%が適切な人材が見つからない、という回答であった。

回答の50%が、経済の好転次第で、新卒者については、「少人数」で随時採用を行なってゆくこと、28%が「ある程度の人数」を採用、22%が「採用はしない」と回答している。

人事専門家は、「経済が低迷しているために最近の新卒者の就職は困難また不利な状況にある。しかしコンピューターなど、ハイテク分野に精通しているものの、実務経験がないためにエントリーレベルのポジションを求めている新卒者の就職は有利な状況となっている」など、何らかの専門知識や実務経験のある新卒者が優遇されている。

サーベイは今年の4月に実施され、回答企業の50%は民間企業、70%が米国本社、30%が多国籍企業。

 

 

家族の健康保険コストは7.8%の増加予測

Milliman Inc.は、家族4人のPPOプラン保険加入者の2010年の医療費用は平均で1万8074ドルで、2009年より7.8%増加すると予測するレポートを発表した。

2010年の同社のインデックスは、過去6年間の推移と傾向を基に算出され、それによると4人家族で年間の医療費用は1303ドル増加するという。

同社によれば、「4人家族構成の保険料の雇用主負担の平均は1万744ドルで初めて1万ドルを超え、雇用主負担は8%増加、従業員負担は7.4%増加した」という。

Millimanは特に14の大都市に焦点をあてて調査を行なっているが、コスト、治療パターン、患者からのリクエストや要求など、年間の医療費用は都市間で約35%の格差があり、低い都市では1万6071ドル、最も高いと市は2万2089ドルであった。

 

 

女性の高額収入職業トップ10

Forbsは、2009年度の労働省統計局のデータをもとにランク付けした女性の高額収入職業リストを発表した。またレポートは男女間の収入の格差についても触れているが、徐々に男女間の格差は少なくなっており女性の高学歴者の収入は増加していることが鮮明となった。

ハイライトはChief Executiveで平均給与は8万1000ドルであったが、米国の女性Chief Executiveは全体の25%、給与は男性の75%と、まだ格差があることも明らかになっている。
2位にランクされたのは薬剤師で中央値が7万6500ドル、薬剤師の約50%を女性が占めており、3位に弁護士が続いている。

今回の調査で初めてランク入りした職業が2つあり、プログラマーとセラピスト。女性プログラマーは全体の20%で、中央地の給与は6万2000ドル、在宅勤務などのベネフィットも享受している。
一方セラピストの中央値は6万ドル80%を女性が占め、男女間の給与格差はないこと、産業自体は伸び続けており、2018年までの雇用は2万6000件増加すると予測されている。

人事担当マネージャーはランキングされていないが、中央値の給与が5万9100ドルで、全職業の女性の平均給与3万4200ドルを大幅に上回っている。さらに全体の70%を女性が占めているものの、男女の給与格差は依然として見られ、男性の80%程度となっている。

一方女性に最もポプラーな職業トップ20における1-3位と中央値の給与は下記のとおりであった。

 

1.秘書およびアドミ・アシスタント 3万2200ドル
2.看護婦 5万4800ドル
3.小中学校の教諭 4万6300ドル

ソース  Forbes    BLS.gov

 

 

(Q) & (A)懲戒処分、解雇、セベランス(一時金)

(Q)パフォーマンスの良くない従業員がおり、すでにウオーニングを受け、パフォーマンス向上のためのプランを提示されている。彼の言い分は、現在の雇用が継続されている間の方が次の仕事を見つけやすいためあと3ヶ月程度は勤続したいということであった。
会社として彼の言い分を認めるべきか?
勤続期間中に問題があった場合会社は彼を解雇できるか?
会社として訴訟問題を回避するため彼に、Severance Agreementのサインと交換に一時金の支給を検討しているが、サインをもらい勤続することはできるか?

(A)最も明確な方法は即日あるいは2週間程度の期間内に雇用契約を解除し、辞めてもらうか辞めさせることである。
もし雇用を継続、Severance Agreementにサインをもらったとしても懸念事項は残る。
最初に、Agreementにサインして勤続した場合、サインした日から退職日までの期間は、Agreementではカバーされない。したがい退職後のクレームが該当期間であった場合は問題となる可能性が残る。

彼が退職日にサインをした場合は在籍中については全てカバーされる。
したがい、方法としては2つの異なるAgreementを提示、1つはサインをした日までのもの、もう1つは退職日に、全てを最終的に放棄する内容のものが必要となる。この場合には専門家の指示を仰ぐことを薦める。

最初のAgreementには、従業員の任意退職であること、サインをする日が退職日であることを記述する必要がある。さらに会社は、従業員がサインをした退職日から将来の実際の退職日まで勤務を継続、給与・ベネフィットを支払うことを認める内容が必要となる。

2番目(最終)のAgreementには、任意退職であること、サインをした日が最終日であること、Severance/一時金の支給をする内容を記述する。

これにより彼は、Severance/一時金を受領する最終退職日まで勤務を継続、職務を遂行する責務を負う。
会社として、彼が2つのAgreementを利用あるいは悪用することのないことをくれぐれも確認しなければならない。したがい最初のAgreementには、ポリシー、ルール、規律違反などがあった場合には、「会社は合意した最終日より前に彼を解雇する権利を保有する」旨の記述をしておく。また実際の退職日前の期間における解雇について会社はSeverance/一時金を含む一切の責務を負わないとしておく。

 

 

民間部門と公共部門の賃金格差

2010年4月に発表されたレポートによると依然として民間部門と公共部門の賃金は依然として格差のあることが明らかになった。
州政府、自治体、退職保障研究所(NIRS)からの委託機関は、「民間部門と公共部門の賃金各差は不均衡?20年以上も続いていることである」とコメントしており、20年間の賃金データではさらに拡大しているという。

●公共部門の仕事は民間よりも高い教育レベルを求めている。公共の従業員の48%、民家の23%が大学卒業
●教育レベルと実務経験から賃金を比較すると、州政府の従業員は11%自治体の従業員は12%、民間企業の従業員より低い。
●賃金格差は過去15年間で拡大してきている。

一般的に公共部門に従事する従業員が、ある程度賃金の低さを受け入れているのはベネフィットがその部分をカバーしているのが理由である。
NIRSのディレクターBeth Akmeidaは、「長期的に見ると、賃金格差はベネフィットと相殺できる程度のレベルである」とコメントしている。

しかしレポートは、「賃金とベネフィットを含む全体報酬においても州政府の従業員は6.8%、や自治体の従業員は7.4%民間よりも低い」と指摘する。

レポートの共著者Keith A.Benderは、「差は歴然としており、どう見ても州政府や自治体の従業員の方が民間よりも全体報酬は低い」と述べている。

 

 

ベネフィット・サーベイ/Disability Insurance受領の待機期間

BLR(Business and Legal Report)が行なった「Survey of Employee Benefit」によると、Short-term Disability
Insurance(短期障害保険)を受領するまでの待機期間は、77%の企業が7日間以上と回答、2006年の同様の調査と比較して65%の企業が待機期間を長くしていることが判明した。

今回のサーベイでは、多くの企業がShort-termのベネフィットを、給与の60~69%、期間を13週間と回答している。
待機期間が長くなっている傾向はLong-term Disability Insurance(長期障害保険)の待機期間にも影響しており、94%の企業が3ヶ月以上と回答、2006年の調査では80%であったことから同様に増加していることが明らかになっている。

このサーベイはBLRのメンバー400社以上から回答を得ており、人事担当者にプログラムの見直しに役に立つのではと同社はコメントしている。

サーベイ結果の概要は下記のとおり。

 

Does the organization offer short-term disability insurance?

 

Number

Percent

Yes

331

77%

No

  99

23%

If yes, what is the short-term disability funding method?

 

Number

Percent

Conventional Insurance

199

66%

Self-Insurance

  88

29%

Both (partially self-insured)

  14

  4%

What is the waiting period before disability insurance benefits begin?

 

Number

Percent

0 days

  20

  7%

1 day

    9

  3%

2-3 days

    7

  2%

4-6 days

  33

11%

7 days

132

44%

8-10 days

  29

10%

More than 10 days

  70

23%

What is the maximum short-term disability weekly benefit, in dollars?

 

Number

Percent

Not a set dollar amount

163

59%

Dollar limit under $200

    9

   3%

$200-399

  14

   5%

$400-599

  26

   9%

$600-799

  12

   4%

$800 or more

  52

19%

What is the maximum short-term disability weekly benefit, in percentage of earnings?

 

Number

Percent

Not a % of earnings

  30

11%

Under 60%

  23

  8%

60%-69%

180

64%

70%-75%

  12

  4%

76%-85%

    7

  2%

86%-99%

    0

  0%

100%

  30

11%

What is the length of short-term disability coverage?

 

Number

Percent

Fewer than 13 weeks

  57

19%

13 weeks

  93

32%

14-18 weeks

    8

  3%

19-25 weeks

  14

  5%

26 weeks

108

37%

More than 26 weeks

  16

  5%

Who pays premiums for short-term disability coverage?

 

Number

Percent

Employer

208

70%

Employee

  61

20%

Both

  27

  9%

Does the organization offer long-term disability insurance?

 

Number

Percent

Yes

332

82%

No

  75

18%

If yes, what is the long-term disability funding method?

 

Number

Percent

Conventional insurance

288

93%

Self-Insurance

  19

  6%

Both (partially self-insured)

    3

  1%

What is the waiting period before commencement of long-term disability benefits?

 

Number

Percent

1 month

   13

  4%

2 months

     5

  2%

3 months

 164

53%

4 months

     4

  1%

5 months

     0

  0%

6 months

105

34%

More than 6 months

  20

  6%

What is the maximum percentage long-term disability weekly benefit?

 

Number

Percent

Not a % of earnings

  11

  3%

50% or less

  14

  5%

51%-59%

    1

  0%

60%

213

69%

61%-74%

  66

21%

75% or more

    4

  1%

 

Who pays premiums for long-term disability coverage?

 

Number

Percent

Employer

236

76%

Employee

49

16%

Both Employer and Employee

27

  9%

Does the organization offer group automobile insurance?

 

Number

Percent

Yes

  19

  5%

No

376

95%

Does the organization offer group homeowners’ insurance?

 

Number

Percent

Yes

  18

  5%

No

377

95%

Does the organization offer group prepaid legal services?

 

Number

Percent

Yes

  50

13%

No

343

87%

今回のサーベイは約400社86%がHRディレクター、マネージャーからの回答で、地域はNortheast、South、Midwest、を対象、44%が従業員数1-9934%が100-4999%が500-99913%が1000人以上であった。

 

 

 

2009年度トップエグゼクティブの報酬は継続して減少

過去2年間で多くの企業がエグゼクティブの報酬を個人のパフォーマンス、会社の業績、株価などによる評価に移行したが、これは報酬の支給方法にかなりの変化となった。
ERI(Economic Research Institute)が45社の上場企業から得た回答を分析した結果によると2009年のエグゼクティブの報酬に顕著な傾向がみられた。

●報酬全体は焼く10%の減少となった。
●この減少は現金によるボーナスやインセンティブが26%減少したことが大きく影響している。
●過去13年間の継続調査において会社の売り上げが前年を下回ったのは初めてであること。

エグゼクティブの報酬は、基本給、現金その他のボーナスやインセンティブ、ストックオプションなどの株式、年金、などの構成から成っている。

今回の調査では、個人のパフォーマンス、及び会社の業績による報酬が顕著な傾向となっており、今後数年間は続くとERIは予測している。
ERIのディレクターDr. Christopher Chasteenは、「業績の低迷で報酬全体は減少しているが、ボーナスやインセンティブは将来的に増加すると思われる」とコメントしている。

報酬の主な概要は会の通り。

 

Table 1. Highest Paid Executive Compensation by Compensation Type

 

May 2009

May 2010

Percent Change

Salary

$1,206,572

$1,202,634

-0.3%

Bonus and Non-equity Incentives

$4,017,300

$2,994,132

-25.5%

Restricted Stock

$4,798,263

$4,223,938

-12.0%

Stock Options

$4,046,043

$4,257,018

5.2%

Total RSA/Options

$8,844,306

$8,480,956

-4.1%

Pension

$1,618,505

$1,595,525

-1.4%

All Other Compensation

$965,259

$602,094

-37.6%

Total Overall Compensation

$16,651,942

$14,875,341

-10.7%

Company Revenues (Millions)

$63,213

$56,957

-9.9%

  

Wal-Martの賃金訴訟8600万ドル

Wal-Mart Stores Inc.は、退職時に支払うべき有給休暇や個人休暇が未払いであったという California州の賃金訴訟で、23万2000人の従業員に総額8600万ドルを支払うことを発表した。

California州北管区の地区裁判所によると、和解内容は、有給休暇分1200万ドル、7400万ドルが未払いによる罰金と利子となっていること、裁判所の承認で最終確定すること、また今回の訴訟で要した経費、弁護士費用、4名の原告代表へのインセンティブなどは総額から減額される。

Wal-Martは同社の公式ウエブサイトで、訴訟メンバーのクレーム数によるが、少なくとも4300万ドル、上限で8600万ドルまで支払うことを約束している。 

Wal-Martは過去数年で賃金に関する訴訟が発生している。

●2008年 連邦及び州の63件の訴訟で6億4000万ドルの和解。
●2009年 Massachusetts州の訴訟で4000万ドルの和解。

さらに性的差別訴訟が現在進行中であり、米国史上最大の差別訴訟に発展する可能性もある。   

 

 

労働基準法違反で200万ドル

Utah州を本拠とするコールセンター、Teleperformance USAは、複数の州において労働基準法に違反したとして提訴されていたが1万5000名の従業員に200万ドルを支払うことで和解した。

訴訟によると同社は、1)休憩時間を無給としていた、2)シフト勤務が始まっていた中での待機時間について未払いであったこと、従業員のステイタスでExemptの分類ミスがあったこと、などが問題となった。

和解はGeorgia、Idaho、Illinois、Indiana、New Mexico、Ohio、Pennsylvania、South Carolina、Texas、Utahの10州の従業員が対象となっている。

今回の和解が迅速に解決したことについて労働省は、同社が非常に協力的であったことを評価するコメントを発表している。

 

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