人事管理エクスプレス

大企業が試算する2011年の健康保険料の値上がり

General Electric、Microsoft、General Motorsなどの大企業を代表するNational Business Group on Healthの7
2メンバーからの「Heal care Costs」サーベイ、そしてほぼ同時期にPricewaterhouse Coopersが行なった「Survey on Employer Health-Care Costs」によると、多くの大企業が2001年の健康保険料について9%程度値上がりすると試算、保険料の一部や個人負担分など従業員への負荷を視野に入れていることが明らかになった。

63%の企業が保険料の値上がり分の一部を従業員に負担してもらう。46%が年間の個人負担上限を引き上げる。44%が控除額を引き上げる。

61%が高額の控除額など経費をコントロールするためにConsumer- directed health planを選択肢として検討している。

●処方箋の薬については、事前承認(73%)、ステップ療法(63%)、段階システム(63%)、メールオーダー(47%)などの方法でコストをコントロールすると回答している。

●多くの企業が健康保険の新規条例案を遵守しながらプランの変更を検討している。

56%がコスト抑制のトップ3の1つに「健康志向プログラム」を挙げている(Cost-sharing plan、Consumer-directed planが他の2つ)。

●退職社の健康保険ベネフィットについては会社負担の上限(46%)、個人負担の増加(37%)、今後の退職者について提供を廃止する(33%)としている。

 

 

従業員の懸念は仕事の安定

Hartford Financial Services Groupが行なったサーベイ結果によると、経済状況に好転の兆しが見られるとはいうもののフルタイム従業員の懸念は仕事の安定であることに変わりはないことが判明した。

今回の調査はオンラインで行なわれ、1000名以上、18-65歳のフルタイム従業員からの回答を得たが、それによると34%が依然としてレイオフ、31%が収入減について懸念を持っている。

さらに36%(2009年は33%〉が「仕事について懸念がある」と回答しており昨年より若干低下したにすぎない結果であった。一方仕事量が増えたとした回答は24%、就業時間が延長されたとした回答も17%あった。
いずれにしても大半の75%が、仕事への影響は経済状況によると回答しており、経済状況次第で仕事が左右されることに多くの人が最大の関心を持っていることが浮き彫りになっている。

Hartford GroupのVP Ron Gendreauは、「多くの従業員が支出削減、セ-ビングや退職年金などの口座を使うなど様々な削減の憂き目に会ったのが現実で、依然として彼らの財務状況は不安定なまま変わっていない」とコメント。

過去12ヶ月間で個人の財務状況に大きな打撃を蒙ったとした回答は37%、ある程度の打撃を受けたが37%、全くなかったは10%であった。

大半の70%が何からの手段を講じており、出費を抑えるために家族休暇(51%)の中止、セービングや年金からの引き出し(27%)、就業時間の延長や追加の仕事をする(19%
、知り合いからの借金(11%)、銀行ローン(7%)などが個人レベルでの対策であった。

 

 

フルベネフィットを受ける資格の就業時間

多くの企業が従業員に各種保険、休暇、年金などのベネフィットを提供しているが、フルベネフィットを享受するための就業時間についてBLR(Business & Legal Report)は250社を超える企業にアンケート調査を実施、その回答結果を分析した内容を発表した。

企業にとってベネフィットパッケージは募集・採用、優秀な従業員の永年勤続に必要不可欠と言われているものの、経費は高騰の一途をたどっており企業にとってビジネス戦略の一つとして重要な一端となっているのが現状である。
下記はBLRが250社に、「従業員がフルベネフィットを享受する資格として1週間の就業時間」について訊ねた結果。

 


Hours Worked

2005

2010

<35

35%

31%

30-35

43%

55%

25-30

10%

5%

20-25

10%

5%

>20

2%

3%

 

過去5年における顕著な変化は、30-35時間と回答した企業が12%増加したこと、しかし20-25、25-30時間とした回答がそれぞれ5%減少していることで、ベネフィットのコストと関連していると思われる。

提供するベネフィットの内容を最終的決める際に、一部のベネフィットとフルベネフィットを受ける従業員の構成はどうなるか考慮する要因として下記のものがある。
1、会社の予算内で提供できるベネフィットの内容はどんなものか。
2、どんなベネフィットが従業員にとって魅力があり、従業員維持に有効な手段となるか。
3、どのようなベンダーが一貫した高品質の商品を提供してくれるか。

従業員のベネフィットパッケージはが最近の健康保険改訂条例に影響を与えると懸念する向きもあり、例えば現在では企業は従業員に健康保険を提供する責務は負っていないが、

20104年から従業員50人以上の場合、120日以上雇用を継続している従業員には基本的な健康保険を提供するか、提供しない場合は罰金として税金の支払いが求められることになる。   

 

2011年の昇給予測

Mercer Consultingが行なった「2010/2011 U.S. Compensation Planning Survey」によると、98%の米国企業が2011年に基本給の昇給を、2%が凍結を継続することを視野に入れていることが明らかになった。凍結を継続するとした回答は2010年が13%、2009年が31%であったことと比較すると大幅に改善していることも鮮明になっている。

同社の調査結果によると、全従業員の平均昇給は2.9%で2010年の2.7%より増加、しかし2009年の3.2%よりはまだ低い状況。しかし以前と様相が異なるのは、全米の企業が2011年は昇給を視野に入れており、優秀な従業員の勤続維持、動機付けにフォーカスた戦略を重視している様子が伺えるという。
下記は2010/2011年の従業員別に比較をリストにしたもの。 

Average U.S. Base Pay Increases by Employee Group

 

2010 Salary Increases

Projected 2011 Increases

 

% firms freezing salaries

Average raises (excluding 0s*)

Average raises (including 0s)

% firms freezing salaries

Average raises (excluding 0s*)

Average raises (including 0s)

All employees

13%

2.7%

2.3%

2%

2.9%

2.8%

Executives

17%

2.9%

2.3%

3%

3.0%

2.9%

Management

13%

2.7%

2.3%

2%

2.9%

2.8%

Professional (sales and
non-sales)

 

11%

 

2.7%

 

2.3%

 

2%

 

2.9%

 

2.8%

Office/
clerical/
technician

11%

2.7%

2.3%

2%

2.9%

2.8%

Trades/
production/
service

10%

2.6%

2.3%

1%

2.9%

2.8%

Source: Mercer

*0s reference the 0% salary increases planned or made by some employers.

Mercerの今回の調査は、大・中規模企業1100社、総勢約1200万人の従業員の給与制度について回答を得たもので、従業員を5つのタイプ(Executive、 Management、 Professional (Sales and Non-sales)、 Office/Clerical/Technician、そしてTrades/Production/Service)に分けを分析したもの。

Mercer ConsultingのCatherine Hartmanは「昇給についてはほぼ元に戻りつつある。経済の好転とともに企業は核となる優秀な従業員の退職に大きな懸念があり、キャリア開発やトレーニングなど金銭ではない報酬も含めて従業員維持を重視している表れと思う」とコメント。

パフォーマンスの優れた優秀な従業員について

企業は特にパフォーマンスの優れた従業員について予算の配分で常に苦心しているのも現状であるが、彼らと平均的なパフォーマンスの従業員との格差は広がりつつあることが今回の調査では明らかになっている。

●特にパフォーマンスの良い従業員(約14%)の2010年の平均昇給は4.3%
●平均的なパフォーマンスの従業員(約35%)の平均昇給は2.6%
●パフォーマンスのあまり良くない従業員(約7%)の平均昇給は0.5%
「企業は、限られた原資で優秀な従業員の維持するために、業績を明確に認めること、結果としてそれを金額に反映する方向性をとっている」とコメント。

成長産業

昇給について戻りつつあるものの、当然であるが産業別で格差は常に存在する。2011年の全産業の平均昇給予測は2.9%であるが、Oil/Gasは3.5%、Business/Professional Serviceは3.2%、反対に2011年の昇給が期待できない産業としてはEducationの2.6%、Real Estateの2.5%などがある。
下記は産業別の2010/2011の比較。

 

Average base pay increases by select industry*

 

2010
base pay increases

Projected 2011 base pay increases

Oil and gas

3.4%

3.5%

Pharmaceutical

2.9%

2.9%

Utilities—energy

2.9%

3.0%

Banking

2.6%

2.7%

Business/
professional services

2.8%

3.2%

Retail

2.6%

2.8%

Telecommunications

2.7%

2.9%

Education

2.8%

2.6%

Health care

2.5%昇給

2.8%

Hospitality/restaurant

2.6%

3.0%

Real estate

2.4%

2.5%

Source: Mercer

*These figures do not include the 0% salary increases planned or made by some employers.

 

 

ボーナス

Mercerの調査では2010年の短期インセンティブボーナスは2009年と比較して若干増加している。全体としては基本給に対する%でのボーナス支払いは継続されると予測している。        
下記は2010年の予測と実績。

  

Median U.S. Short-Term Incentive Payouts (as a percentage of base pay)

 

2010 projected
(as of November 2009)

2010 actual
(based on 2009 performance)

All employees

10%

12%

Executives

32%

35%

Management

15%

15%

Professional (sales and non-sales)

9%

10%

Office/clerical/technician

5%

5%

Trades/production/service

4%

5%

一方コンサルティング会社Towers Watsonの調査では企業業績の回復にともない従業員は更に多くのボーナスを予測しているという指摘もある。

 

 

合法ではあるが愚かな行為

従業員に対するアクションが必要な時は必ずあるのが現状だが、その行為そのものは合法的ではあるものの実践的には愚かな行為となることがある。
下記はその典型例で合法ではあるが愚かと言わざるを得ない行為。

1. Firing At-Will Employees for No Reason

「At-Willの従業員の場合はいつでも、いかなる理由あるいは理由なしに従業員を解雇できる?」
そのとおり、いかなる理由、あるいは理由なしに従業員を解雇できる。しかし出来るということはそうすべきであるということを意味するわけではない。

理由もなしに解雇された従業員は何らかの差別的なクレームをつけ会社を訴える可能性を秘める。
元従業員が差別行為で会社を提訴した場合、例えばマネージャーが証人として出廷、「いいえ、私は理由なしに解雇しました」と供述したとする。陪審員は「理由もなしに解雇はありえない」と判断、結論として「差別行為」につながる。

 

2. Trying to Be Nice to People You Fire

「彼はいい男だから私はパフォーマンスが良くないことを伝える心臓は持ち合わせていなかった。したがいポジションが無くなると通知した」。
体よく解雇するための方便として違法ではない。しかしマネージャーが別の従業員を採用したり、充当した場合、元従業員は差別されたとして会社を訴える。
出廷したマネージャーは「ポジションが無くなると通知して解雇したが本当はパフォーマンスが良くなかったから解雇した」と供述した場合。
陪審員は「我々が明確に知り得たことは、マネージャーが嘘をついたという事実である」という結果になる可能性が大きい。

 

3. Taking Action Without Documentation

「法律ではアクションをとる前に書面の必要性はないと理解している」
その通りで必要はない、しかし必要となるときが多々ある。
書面の裏づけなしに従業員を解雇し、その従業員が、「パフォーマンスに問題がないにもかかわらず解雇されたのは差別である」と会社を提訴した場合。

●パf-マンスが良かったと言われた。
●昇給やボーナスを受けた。
●パフォ-マンスが良くないとは誰からも言われたことが無かった。

これらについて会社側は反論と証明をしなければならないことになる。

会社側は差別訴訟を拒絶することは困難である。したがいマネージャーは下記の3項目についての書面は管理しておくべきである。
●従業員はポリシーに違反した、あるいはパフォーマンスが良くないことを自覚していた。
●従業員はパフォーマンスが基準以下であることに気がついていた。
●従業員はパフォーマンスの改善をするための手段や機会を与えられていた。

最後に、マネ-ジャーは書面を持っているものという安心感は持つべきではない。実際の書面を探すことは大変重要で、書面はあると言われていたにもかかわらず現実に必要となった場合に見当たらないとことが多いものである。

 

 

 

人種、性別、国籍の差別で60万ドル

EEOCはCalifornia州BurbankのMercury Air Centers Inc.が黒人、フィリピン、グアテマラ出身の従業員に対する差別行為があったとして提訴、同社が60万ドルを支払うことで和解したことを発表した。

訴訟によると、Mercuryは公民権第Ⅶ章(Title Ⅶ)に違反、人種、性別、国籍による差別が繰り返されていたという。
EEOCが提訴した後MercuryはAtlantic Services Inc.社に買収されたが、AtlanticがEEOCtと交渉を継続、7名の従業員に対する損害賠償60万ドルと差別禁止のトレーニング、2年間の監察期間における報告義務などの和解条件に合意した。

EEOCの地区弁護士Anna Y. Parkは、「Atlantic Serviceが和解に前向きに対処してくれたことが早期の合意に達した、今後同社が全従業員に対するトレーニングなど差別禁止の徹底を遂行してくれることに期待している」とコメント。

 

 

H-1Bビザの違反で55万6000ドル

米国労働省はLos Angeles、San Francisco、Las Vegas、New YorkそしてPhilippinesで出版物を手がけるAsian Journal PublicationsがH1-Bビザプログラムに違反があったとして提訴していたが、同社が未払い賃金と罰金あわせて55万6000ドルを支払うことで和解したと発表した。

労働省の調査によると同社はH1-Bビザの申請にはAccountants、reporters、News writers、 Journalists、Business
analysts、Public relations specialistsなどのポジションで記載していたが実際には大半がセールスの職務で採用されていたこと、またH1-Bビザプログラムに求められる書面管理にも不備があったこと、雇用主負担のビザ申請費用も従業員に転嫁していたという。

この度の和解でAsian Journalは4万ドルの罰金と22名のH1-Bビザ従業員に総額で47万3218ドルの支払いに同意している。
また同社のH1-Bビザ以外の従業員で、配送や事務職10名にも4万3276ドルの未払い賃金があったことも判明しており、労働基準法に違反すると指摘された。

Asian Journalの主要顧客はFilipinoコミューニティで、言葉の面からH1-Bビザプログラムで従業員の採用を行なったきた経緯がある。しかし最近では企業責任を確認するための労働省及び賃金時間課などの監査が増加しているのが現状である。

今回の和解についてAsian Journalの顧問弁護士Clint D. Robinsonは、「同社に意図的な非があったわけではないが、今後は法令を遵守することに十分留意する」とコメントしている。

 

 

 

障害者差別で7万5000ドル

EEOC(米国雇用機会均等委員会)は全米に支店を持つ人材派遣会社Olsten Staffing Services Corp.に対しADA(障害者差別条例―Americans with Disabilities Act)の違反で提訴していたが、Olstenが7万5000ドルを支払うことで和解した。

EEOCによるとOlstenは数回にわたり、業務には支障のない耳の不自由な応募者については意図的に顧客に紹介しなかったという。また社内のe-mailで障害を持つ応募者については「要注意」として紹介に消極的な姿勢を促していた。
今回の問題については応募者からなぜ採用されなかったのかというとい問い合わせに対し、Olsten側の説明が十分になされず、障害者に対する差別行為であると裁定された。

和解では遺失賃金として5000ドル、損害賠償として7万ドルの合計7万5000の支払い命令が下された。また同社は障害者差別禁止のトレーニング、苦情申し出があった場合にはEEOCに届出をすることなどの措置が取られた。

 

 

 

障害者差別10万1000ドル

CanadaのエレクトロニクスメーカーCelestica, Inc.は、障害のある従業員に対し職務を遂行しやすいようにする「適宜の便宜」の申し出を無視したことによりEEOCから障害者差別で提訴されていた。

訴訟によると、従業員は40万SQFTの倉庫内で勤務、慢性肺疾患と心筋症を患っており、パーキングから自分のデスクまで車椅子の使用許可を求めていた。しかし会社側は従業員の申し出を無視したため、従業員は「適宜の便宜」なしで勤務を継続したが最終的に数ヶ月で退職した。

今回の和解でOlstenは10万1000ドルの支払いと、2年間の同意判決が下され、障害者からの「適宜の便宜」申し出について拒否、あるいは無視することが禁止された。また障害者差別禁止のパンフレットの配布とトレーニング、定期的なEEOCへの報告が義務付けられた。

 

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