2009年の退職率は低下
Compensation.BLR.com 及び HR.BLR.comのオンラインサーベイによると、2009年度は半数を超える企業において退職率は減少したことが明らかになった。
全体では52%の回答が2009年度において退職率は減少、11%が実質増加、37%が変化はなかったと回答した。
サーベイはまた企業が経費削減を実施した2008、2009年の状況を元に戻す、あるいは改善を実施するなどの傾向も見られるが、一方では2010年も慎重に検討している企業も多いことが明らかになっている。
しかし経済の好転の兆しが見え始めている2010年においては、新天地での仕事を模索する従業員は増加すると予測されている。
H1-B ビザ
USCIS(米国市民権・移民局)は2011年度(就業開始は2010年10月1日)のH1-Bビザの申請を4月1日から受付ける。
2009年度の申請は受付け開始1週間で上限の6万5000件に達したため、最終的に抽選での選出となったが、2010年度においては経済低迷の大打撃を受け、申請が上限に達したのは12月21日と、過去2年間の状況とは様変わりで推移してきた。
USCISは、2011年度においても数ヶ月で上限に達するとはないと予測しているが、雇用主に対し採用のニーズについての検討は遅れることのないよう促している。
H1-Bビザの申請は今年の枠が一杯となった場合、来年まで待たないとならないこと、またOPT(Optional Practical Training)ビザで10月1日前に期限満了となる優秀な人材にとっては4月に申請しておけば就業を継続することができるため、この申請は重要なものとなる。
H1-Bビザ申請の上限は「新規」のみであり、延長やトランスファーはその中には含まれないが、現在H1-Bで大学、非利益団体、政府関連のリサーチなど本来のH1-Bビザの上限から免除されている人が民間の別の仕事を探す場合には新規と同じ申請扱いとなる。
COBRA補助金条例は延長
Obama大統領はARRA(American Recovery and Reinvestment Act of 2009)に基づいた、連邦政府によるレイオフされた従業員のCOBRAによる医療保険補助を行う延長プログラムが議会で可決されたことを受けて即日署名した。
このプログラムは2010年2月28日で終了したが、今回の延長で3月1日から3月31日の間にレイオフされた従業員も同様の補助プログラムを受けることが出来る。また就業時間の短縮などでグループ保険が適用されなくなった個人も対象となる。
議会はさらにこのCOBRA補助プログラムを年度末まで延長することも視野に入れている。
医療保険の改訂を検討する雇用主
改善の兆しが見え始めた企業もあるが引き続き高騰する医療保険に、多くの雇用主はベネフィットの変更などをすでに実施、あるいは実施を検討していることが明らかになった。
今回で15回目となるサーベイ「Purchasing Value in Health Care Survey」は昨年11月から今年1月において実施、従業員1000人以上の企業を対象にコンサルタント会社Towers Watson 及びNational Business Group on Health (NBGH)が行なったもの。
それによると全体の83%がすでにベネフィットの内容を変更、あるいは2年以内に変更を検討、2009年の59%から大幅に増加していることが明らかになった。
理由として、2010年の平均値上がり率が6.5%と2009年の7%よりは低いものの、インフレ率の2倍になっており企業負担は増加の一途をたどっていることが挙げられている。
Towers WatsonのRon Fontanettaは、「予算の範囲内で従業員に魅力のあるベネフィットプログラムを継続的に提供するという難題に担当者は直面している」とコメントしている。
今回行なわれたサイベイの概要は下記のとおり。
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Revamping Health Benefit Programs |
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Have taken action and plan further action in next two years |
Have not taken action but plan to do so in next two years |
Have already taken action, no further action planned |
No action planned |
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Revamp health care strategy |
27% |
23% |
32% |
17% |
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Replace ineffective medical plan administrators |
12% |
20% |
26% |
42% |
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Adopt a consumer-driven health plan (CDHP) |
9% |
14% |
44% |
34% |
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Consolidate health and productivity programs with a single vendor or health plan |
8% |
13% |
23% |
57% |
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Increase/add spousal surcharges |
4% |
13% |
19% |
64% |
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Percentages have been rounded. |
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今回のサーベイでは3社に2社の約67%の企業が、従業員自身の健康に対して取り組む姿勢の低さを改善、向上させることが最優先課題であると回答、企業として従業員の不健康な習慣を改善してもらうための方策を実施、検討している。
●66%が不健康な習慣によるリスク査定と改善のためのインセンティブを提供。
●56%が健康に対するカウンセリングや指導を提供。
●26%が社内にヘルスセンターを設置、従業員の相談に対応。
Towers WatsonのTed Nussbaumは、「簡単ではないが雇用主は従業員に健康志向の習慣を継続して奨励して行くことが必要で、従業員側が積極的に健康志向に取り組むか否かが最大のキーであり雇用主の重要課題である」とコメントしてる。
インターンシッププログラム
インターン学生が企業で研修する時期が間近となっており、実務習得、社会経験、キャリアパス、将来のコンタクトなど、学生が習得できる環境を提供する企業も多い。
しかし一方ではFLSA(労働基準法)に基づく条例を遵守しなければならない。たとえば無給のインターンシップは連邦の賃金条例に違反しないか?など、FLSAに抵触しないよう注意すべきである。
米国労働省が定義する6項目
FLSAはインターンについて最低賃金や残業代について免除されるとは定義していない、また全てのインターンが「従業員」として職務を遂行しているわけではないが、一般論からFLSAは、インターンの職務が会社に利益をもたらす場合には少なくとも最低賃金の支払いを求めるとしている。
インターンの職務が会社の利益に関係なく、知識の習得や観察的な内容の場合には無給と判断される。
インターンは職務や活動内容などを取り巻く環境によりFLSAは従業員として判断する。DOL(米国労働省)は6項目のテストからインターンかトレーニーを判断、それには下記の条項をクリアしなければならない。
●企業内の実務トレーニングは知識、技術習得のためのVocational Schoolと同様であること。
●基本的にトレーニングのベネフィットは企業ではなくインターンにあること。
●トレーニーは従業員の交代要員ではないこと、管理された下で就業すること。
●企業はインターンの活動から直接利益を受けないこと。
●インターンプログラムの終了後に雇用を約束するものではないこと。
●企業、インターン双方ともにインターンシッププログラムについて賃金は発生しないことを理解していること。
FLSA遵守
企業は無給のインターンシッププログラムを提供する場合、インターンが職務を通じて受けるベネフィットを提供しなければならない。キャリア、教育的な経験を積ませることにフォーカスし、生産的なこと、あるいは小間使い的な仕事に従事させることはできない。
また書面で無給のインターンシップであること、提供する実務経験の内容、インターンとの関係など記述、それに基づいたトレーニングを実施しなければならないと規定されている。
Wall Streetのボーナス
New York州政府のコントローラーThomas P. DiNapoliのレポートによると、2009年にNew Yorkの金融業界が従業員に支払ったボーナスは全体で203億ドルで、2008年から17%増額となったことを明らかにした。
DiNapoliはさらに、証券業界大手の昇給及び報酬はそれを上回る伸び率なっており平均で27%、34万ドルにとなっていること、中でもGoldman Sachs、Morgan Stanley、JPMorgan Chase Investment Bankの2009年の昇給率は31%であったという。
ボーナスの平均は12万3850ドルだが、平均報酬は企業が遅延保証金という形で以前よりボーナスの割合を多く支払ったためそれ以上の昇給率となった。
2009年度のWall Streetの金融業界では売り上げの40%が報酬として充当されたが、これは高すぎるという批判に対応し、前年の50%から減少となっている。
「Wall StreetはNew Yorkの経済にとっては生命線であり、州の財政の基盤である」、「多額のボーナスは多くのアメリカ人には理解しがたく、世界的な経済低迷の責任に対する様々な憤りがあるのも事実である。悪戦苦闘してる納税者が彼らを救済したにもかかわらず、彼らはすでにお金を儲け始めているのが現状である」とDiNapoliはコメントしている。
人種差別
バーゲン品の小売大手Big LotsはCalifornia州Rancho Cucamongaの集配センターで黒人従業員に対する人種差別があったとしてEEOC(米国雇用機会均等委員会)から提訴されていたが、同社が40万ドルを支払うことで和解した。
EEOCは、2008年に黒人のメインテナンス担当従業員5名はヒスパニック系の同僚、及び上司から人種差別的な言動、落書き、「Nigger」、「Monkey」などの侮蔑的な言葉が頻繁に使われていたこと、またBig Lotsがそれを感知していながら防止するための措置をとらなかったことはTitleⅦ(公民権第Ⅶ章)に違反するもので会社の責任は重大であると主張していた。
今回の和解でBig Lotsは40万ドルの支払いと差別禁止のポリシーの徹底、苦情申し出の手順の確立、トレーニングなども義務付けられた。
California州の中央地区裁判所のGeorge H. Wu判事は和解を承認、和解金額は前職5名の黒人従業員に配分される。
男性同士のハラスメント苦情が増加
EEOC(米国雇用機会均等委員会)によると、男性からのセクシャルハラスメント訴訟は1992年から倍増しており、2009年に提訴されたセクシャルハラスメント訴訟1万2696件の16%にまで達しているという。
女性から男性へのセクシャルハラスメント訴訟が常にある程度の割合を占めているのは変わらないが、男性から男性のハラスメント訴訟も増加しているのが現状である。またこれらのクレームは和解にしても高額のコストがかかったり、違法とは考えられないケースもある。
EEOCが最初の、男性から男性のハラスメンを提訴したのは1999年でその時の和解金額は190万ドルであったが、類似のケースをCarmike Cinemas, Inc.、 Haydon Brothers Contracting、 Fleming’s Prime Steak House、最近ではNew York のSparks Steak Houseなどに対して提訴している。
Cheesecake FactoryのケースはPhoenix店で6名の男性従業員が複数のキッチンの男性によりセクシャルハラスメント行為を受けたとされるもので、ひどい性的いじめやレイプ同然の行為など目に余るものであったという。これについて同社は非を認めていないが昨年11月に34万5000ドルを支払い和解が成立している。
Title Ⅶ(公民権第Ⅶ章)は雇用主、スーパーバイザーに、ハラスメント行為に気づいた際には迅速な対処をしなければならいと規定しており、雇用主は職場におけるハラスメントを禁止する旨の確認をしておくべきである。またハラスメント苦情申し出については男性からであっても女性からと同様の扱いをすべきであり、調査の手順などを確立しておかなければならない
さらにハラスメント禁止のポリシーの確認、ハラスメント行為が起きた場合の報告義務、プロセスなど解決策の手順も明記、迅速な対応をすべきである。
第1巻
第2巻
第3巻


