人事管理エクスプレス

COBRAの延長を可決

Ohio州のSherrod Brown上院議員は、レイオフされた従業員の医療保険COBRAの政府補助金制度の新規申請が12月31日で終了するにあたり、延長すべきであるとして条例案を提出していた。

2009年の2月に制定されたAmerican Recovery and Reinvestment Act of 2009 (ARRA)により、3月から開始された。COBRAの補助金制度は保険料も65%を政府が、35%を個人が支払うもので9ヶ月間継続され、12月に新規申請が終了する。

今回の可決さらた改正案の概要は下記のとおり。

  1. COBRA補助金の申請終了期限を2009年12月31日から2010年2月28日とする。
  2. 補助金の受給期限を現行の9ヶ月から15ヶ月とする。
  3. 11月30日に現行の9ヶ月間の補助金受給が終了した人についても遡って受給資格が発生し、さらに6ヶ月間の受給資格を得られる。
  4. 2010年2月28日までの申請資格はレイオフによる解雇とする。

ベネフィットコスト

2009年度の医療保険料の値上がりは過去10年間では最も低く平均で5.5%増という数字であったが、依然としてインフレーションを上回る速度で値上がりしているのが現状である。

Mercer Consultingが行なった年次調査「National Survey of Employer-Sponsored Health Plans」によると、2010年
の医療保険の値上がりは、プログラムの変更を一切しない場合には平均で9%の値上がりになると予測している。しかしプログラムやベンダーの変更により、6%程度の値上がりで抑えられる可能性があるという。

下記は2009年度の年間平均保険料

Total Health Benefit Cost per Employee in 2009, by employer size
All U.S. employers $8,945
Small employers (10-499 employees) $8,452
Large employers (500 or more employees) $9,286

MercerのBeth Umlandは、「保険料のコストを抑えるために、大企業と中小企業とでは戦略に差があり、大企業では色々な健康志向プログラムの導入、中小企業においては、Consumer-directのプラン、あるいはPPOの個人負担分の増加などでコストの増加を抑える傾向にある」と述べている。
また、多くの大企業においては何らかの健康志向プログラムをインセンティブを含めて導入しており、加入の勧誘を積極的に行なっているという。

下記は何らかの健康志向プログラムを提供している企業の割合

Sharp Growth in Health/Wellness Programs
percent of large employers offering programs
  2008 2009
Health risk assessment 65% 73%
Disease management program 66% 71%
Behavior modification 39% 51%
Health advocate services 47% 53%
Nurse advice line 76% 78%
Case management 79% 82%
Source: Mercer’s National Survey of Employer-Sponsored Health Plans.

インセンティブ例 禁煙者には保険料の個人負担を軽減している割合

Lower Premium Contributions for Nonsmokers
percent of large employers offering programs
  2008 2009
Employers with 500+ employees 6% 9%
Employers with 20,000+ employees 17% 23%
Source: Mercer’s National Survey of Employer-Sponsored Health Plans.

Umaliはさらに、「過去10年間で企業は、フレキシブル、費用のコントロールがより簡単などの理由で保険プランをHMOからPPOに変更している。これからは、従業員個人が蓄えた医療保険の金額をそれぞれの必要性に合わせて使用できるConsumer-directed Health Plan(CDHP)が増加すると予測している」とコメントしている。

現在の保険プログラムの加入割合はPPOが69%、HMOは21%(2001年は33%であったが、その後は減少、2009年度は保険料もPPOより高くなっている)。

下記はCDHPの加入運割合の推移と2010年の予測

Jump in CDHP Offerings Among Small Employers
percent of employers
  CDHPs* offered in:
  2005 2006 2007 2008 2009 “very likely” to offer in 2010
Small employers (10-499 employees) 2% 5% 7% 9% 15% 18%
Large employers (500 or more employees) 5% 11% 14% 20% 20% 24%
* Based on a health savings account (HSA) or health reimbursement arrangement (HRA).
Source: Mercer’s National Survey of Employer-Sponsored Health Plans.

下記はそれぞれのプランの医療保険料の比較

Medical Plan Cost Per Employee
by plan type
  2008 2009
Preferred-provider organization (PPO) $7,815 $8,223
Health maintenance organization (HMO) $7,768 $8,570
Health savings account-eligible consumer-driven health plan (CDHP) $6,027 $6,393
Source: Mercer’s National Survey of Employer-Sponsored Health Plans.

今回の年次サーベイは「National Survey of Employer-Sponsored Health Plans」は10名以上の従業員を擁する企業2814社からの回答を集積、分析したもの。

失業手当のチェックが遅延

連邦の雇用開発局(EDD)は、最近連邦条例で延長された失業手当てのチェックは12月の15日に発送されたと発表、これを待ち望んでいたCaliforniaの失業者は約12万人に上るという。

これはEDDが使用している25年前のコンピューターシステムに延長のプログラムを再入力しなければならなかったことが原因で、結果としてチェックは6週間あまりホールドされた状態となった。

EDDのスポークスマンLoreeLevyは、新しいクレームフォームと2週間分のチェックは発送されたが、来週の発送も予定通り行くと期待している、と述べた。今回の緊急処置はArnold Schwarzenegger州知事の労働力開発部の指示によるもの。失業手当の延長については、リセッションが始まってから79週間の失業手当を使い切ってしまった人に受給資格がある。

8月から11月においてチェックの受領が出来なかった人は9万3500人に上り、1ヶ月の遅れでホームレスのシェルターで過ごさざるを得ない人も出てきたことで緊急の課題となっていた。 EDDの試算によると合計で16万4000人が12月末に受給資格が発生するという。

(Q) & (A)

(Q)当社では職場に掲載するべきポスターをイントラネットで掲示、告知している。イントラネットのみでの掲載、告知は条例を遵守していると言えるのかどうか?

(A)イントラネットは、支店や地域が分散している状況における従業員とのコミュニケーションなどにおいて大変便利であり、多くの企業がニュースレター、就業規則など事務連絡に利用している。しかし連邦法で定められている職場に掲示すべきポスターをイントラネットのみでの掲示では労働基準法(FLSA)を100%遵守しているとは言えない。ポスターの掲示については、「全ての職場において従業員が気づく、目立つ、はっきりと見える場所に掲示しなければならない」と定められている。

ビジネスで連邦政府とコントラクトのある企業は、地域の人種構成比に応じた従業員を採用するAffirmative Action Planが求められるが、これを管理するExecutive Order No. 11246では、「全従業員、求職者、ユニオンの代理人がアクセスできるような目立つ場所に掲示しなければならない」と定めている。また従業員50人以上を擁する企業に求められるThe Family and Medical Leave Act (FMLA)においては、「全従業員、求職者に見え、且つ判読できる場所に掲示しなければならない」としている。

したがい、条例で定められているポスターの掲示はイントラネットだけでは十分ではなく、各職場にも掲示しなければならない。

レストランのハラスメントで126万ドル

EEOC(米国雇用機会均等委員会)は、ClevelandのBahama Breeze restaurantのマネージャーが黒人従業員に対し人種的な差別行為があったとして提訴していたが、Bahama Breezeが126万ドルを支払うことで和解したと発表した。

EEOCによると、同レストランのマネージャーは、黒人従業員を侮蔑する言葉を頻発、また休憩時間、昇給、昇格なども他の従業員と差別するなど、人種に基づく差別行為が5年以上も続いていたことが判明している。

原告の37名は2008年9月、公民権第?章(Title VII of the 1964 Civil Rights Act)の人種差別にあたるとしてEEOCに苦情を申し出ていた。

就業時間の管理不行き届きで170万ドル

米国労働省の賃金・時間課はSt. Louisの病院チェーンにおいて、看護婦が食事時間を割愛して勤務したにもかかわらず適正な賃金の支払いがなされていないのは労働基準法(FLSA)に違反すると同病院に通知した。

SSM Health Careの就業時間管理は、従業員が働いていようといまいと食事時間を自動的に差し引いて支払われており、週40時間を越える時間外手当てを含む適正な就業時間の管理、計算がされていなかった。

賃金・時間課の監査の結果、SSM Health Careは、4007名の従業員に総額173万8133ドルの未払い賃金を支払うよう命じられた。

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