人事管理エクスプレス 9月18日発行 Vol. 276 (2009年度版)
改訂のI-9フォームは2012まで有効
米国市民権・移民サービス局(USCIS―U.S. Citizenship and Immigration Services)は、従業員の米国での就業資格を証明するI-9フォームを改訂、有効期限を2012年8月31日と設定した。
現状雇用主は、8月に改訂されたものと併せ、2月に改訂されたものも使用できるとしている。
就業資格を証明する書面については有効期限内であること、また雇用主は従業員が提出した書面がI-9の証明に合致してる限り、特定の書面の提出を要求することは出来ない。
またI-9フォームは採用後3年間、あるいは退職・解雇後1年間のどちらか長い方の保管が義務付けられている。
雇用主は国家安全保障省(Department of Homeland Security)や労働省など政府機関の監査による提出要求には応じなければならない。
改訂されたI-9フォームはUSCISのウエブサイトhttp://www.uscis.gov/portal/site/uscisからダウンロードできる。
仕事数の減少は緩和、失業率は9.7%
米国労働省統計局の発表によると、8月の非農業部門の仕事減少件数は季節調整済みで、7月の27万6000件から21万6000件となり、過去20ヶ月においては最小の数字となった。
6月、7月の雇用数は多少下方修正され、当初の予測より4万9000人減少したが、今年の初めから月平均31万8000件の減少での推移と比較すると改善の兆しが見え始めたと統計局はコメントしている。
今までのレイオフが一段落しているという見方がある一方、失業率は7月の9.4%から8月は9.7%に上昇していおり、過去26年間で最大、年末までには10%を超えるという見方も出ている。
8月の数字については、仕事削減件数は予測に近く、失業率は予測よりも高かったとアナリストは報告している。
PNC Financial Services GroupのChief Economist、Stuart G. Hoffmanは、「レイオフは一段落した時期に来たと思われるが、仕事削減件数は全米に渡っており、まだまだ楽観視できる状況には程遠い」とコメント。
労働市場における女性の比率
男性はリセッションによる失職の矛先にさらされた傾向があるが、全体では3人のうち2人が男性、1人が女性という数字で、労働市場における女性の比率が増加傾向にある。
BNAが労働省統計局の7月のデータを分析した結果では、非農業部門における労働市場の女性の比率は49.9%で6月の48.8%からさらに増加、限りなく男性と同率に近いという。
National Center for Policy AnalysisのTerry Neeseは、「これについては予測できたことで、労働市場における女性の影響力、注目度もさらに高くなると確信している。また現状のリセッション下では少ないが、これから女性の成功者も増加するだろう」とコメント。
8月の失業率統計では、男性10.1%、女性7.6%、人種・民族別においては、黒人15.1%、ヒスパニック13.1%、白人は8.9%と不均衡を呈している。
業種により緩和
8月の失職数は建設業が最も厳しく6万5000、製造業6万3000、ファイナンスが2万8000と、依然として低迷状況が続いている一方で、医療産業は低迷する中において雇用は増加している。
リセッションが始まって以来工場労働者200万人、建設業で140万の雇用が失われている。
失職数はいくつかの産業で緩和されているものの、ある人材派遣会社では月平均1万3000人を派遣していたが7000人削減、卸業では1万7000人、技術系が1万1000人、サービス業でも同じく1万1000人、情報産業で1万人、小売業でも1万人と雇用の減少は続いている。
Exempt従業員の勤務短縮と報酬カット
雇用主は経済の低迷に困難を極めているのが現状であるが、労働基準執行部(Labor Standards Enforcement ― DLSE)の一部門である産業関連局(Department of Industrial Relations)は、8月の意見書で、「Exempt従業員の、5日勤務を4日に、週給を20%カット」することはCalifornia州法には抵触しないと発表した。
残業手当の対象とならない「給与ベース」のExempt従業員についてのこの処置は、あくまでも一時的な処置であることを前提とするが、同州の労働規約、賃金条例に違反するものではないとDLSEは結論している。
産業関連局は2002年には連邦法とは相反する立場を取っていたが、最近の意見書では、連邦地区裁判所の裁定に準じたものであったが、「間違った指導で妥当性がない」と訂正した。
(Q) &(A) インフルエンザ感染
(Q)H1N1のインフルエンザが流行した地域から帰任した従業員の場合、潜伏期間が終了するまで在宅勤務とし、職場に来ないよう指示できるか?
(A)警戒が必要なために従業員を職場から離すことについて禁止する法律はない。
職場の安全基準をつかさどるOSHAは、「雇用主は職場に危険の可能性がある場合、それを防止する責務を負う」と規定しており、雇用主として必要な処置を施さなければならない
。一方、従業員の実際の状況や推測から違法な差別や身障者保護法(ADA)などに十分な留意が必要であると注意を促している。
また、給与の支払いについて考慮しなければならない点もある。
労働基準法はExempt従業員について1日でも働いた場合は、その週の給与を支払う必要がある。会社の都合で従業員を欠勤させた場合、Exempt従業員には支払いの義務が発生する。したがい会社として、有給休暇の取得を求める(会社のポリシーで確認する)などを検討する必要がある。もし有給休暇がない場合、繰上げの休暇を取得するか、通常の給与を支払うかのいずれかとなる。
地質調査会社の未払い給与
米国労働省は、Texas州San Angeloの地質調査会社Geosite Inc.が70名の従業員の残業手当て未払い金額27万950ドルを支払うことに合意したと発表した。
San Antonioの労働省賃金・時間課は、2007年4月1日から2009年4月1日においてGeositeが40時間を越えた時間外手当について通常時給を支給、残業手当を一切支払っていなかったこtが判明した。
賃金・時間課のアドミニストレーターCynthia Watsonは、「従業員によっては週85時間も働いていながら残業手当てを受け取っていなかった」と同社の管理不足を指摘した。
労働省は今回の監査でGeositeは、Texas、Oklahoma、New Mexicoそれぞれの拠点で未払い分の賃金を全て支払ったと発表、同社の迅速な対応に敬意を表した。
労働基準法(FLSA)は、週40時間を越えた労働に対してはコミッション、ボーナスを含め通常賃金の1.5倍を支払うことえを雇用主に求めている。
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