人事管理エクスプレス 9月4日発行 Vol. 274 (2009年度版)
2万件のH1-Bビザ枠に依然として空き
米国市民権・移民局(USCIS)は8月14日時点で、2010年のH1-Bビザ申請件数が4万5000件で、6万5000件の枠にまだ2万件あまり空いていると発表した。
ここ数年H1-Bビザの申請件数は、受付初日の4月1日に限度枠に達してしまうという事態が続いてきた経緯がある。昨年は受付開始の5日間で16万3000件の申請があり抽選で6万5000件の給付が行なわれた。
CISによると、2010年度の申請件数は4万5700件であったが5月以降に申請の却下や取り消しが新規申請件数を上回ったため、依然として2万件の枠があるという。
6月の求人、採用、レイオフ動向
労働省統計局の発表によると、2009年6月のフルタイム、パートタイムを含む求人件数は255万8000件で5月の252万3000件から3万500件の微増にとどまった。
また6月の全体の雇用に対する求人割合は1.9%で4ヶ月連続で変化はなく、雇用全体に対する採用割合は2.9%で5月の3%から若干下落した。
6月のレイオフ率は3.3%で、非農業部門と政府機関での雇用は377万6000人で5月の394万2000人から16万6000人の減少となった。
全体では433万7000人が退職またはレイオフとなっており、5月の435万6000人から1万9000人減少した。
COBRA補助金プログラムによる申請件数は倍増
ことしの2月にARRA(American Recovery and Reinvestment Act of 2009)は、2008年9月から2009年12月31日の間に、レイオフその他による失業者へのCOBRA保険料の65%を9ヶ月間補助する、医療保険サポートプログラムを発表、即日実施したが、申請件数は以前と比較して倍増していることが明らかになった。
コンサルティング会社Hewitt Associatesによると、ARRAの施行前のCOBRA保険申請は20%であったが、施行後は40%と倍増しているという。
同社は今年の3月から6月まで、約200社の大企業を対象に調査を行なったが、この時期のCOBRA保険の申請は退職者全体の38%に上ったが、昨年の9月から今年の2月まででは19%であった。
求職者のベスト都市トップ15
SimplyHired.comは競争の高いジョブマーケットと反対に低いマーケットのリストを公表した。
リストは、都市の求人情報と失業率のデータベースを比較検討して作成したもので、Des Moines (Iowa)、 District of Columbia、そしてOmaha(Nebraska)の3都市が1件の求人に対して5人の求職者(有効求人倍率0.2)で最も競争力が低く、反対に Detroitは1件の求人に対して46人の求職者(有効求人倍率0.02)という最も競争力の高い都市となり、またNew York、 Los Angeles、 そして Las Vegasなども求職者にとっては最も競争の激しい都市となった。
昇給率は下落傾向
プロフェッショナルビジネス及び政府機関の情報分析を行なうBNA(The Bureau of National Affairs, Inc.)は、2009年第三四半期の賃金動向(Wage Trend Indicator)予測を発表した。
インデックスでは6四半期連続で下落が続いており、第三四半期の予測は97.99(1976年の第二四半期=100)で、第二四半期の98.55からさらに下落するとしている。
BNAの賃金動向エコノミストKathryn Kobeは、「インデックスは引き続き労働市場の軟調を示しており、賃金が上昇する要素は見当たらず、向こう1年間も昇給は下落が続くと予測している」とコメント。
不適格な履歴書の送付
Robert Half International とCareerBuilderの調査によると、企業の人材募集において応募者から送付される履歴書のうち、平均して約半数が必要条件を満たしていない不適格なものであるという。
またサーベイ結果では、レイオフの拡大により応募者の数は多いにもかかわらず、企業が採用したいとする応募者の獲得は簡単ではないことも明らかになっている。
採用責任者の47%が、募集・採用において必要条件を満たしていない不適格な応募者が履歴書を送付してくるケースが非常に多いと、22%が、優秀な応募者が安定したポジションを変わることには気が進まないのを翻意させること、の2項目が採用時の人事の大きな課題であると言及している。
AT&Tの年齢差別
EEOC(米国雇用機会均等委員会)によると、AT&Tは早期退職プログラムのもとに退職した高齢従業員に対して年齢差別的な行為があったという。理由は、早期退職プログラムに応募した高齢従業員は、EEOCに差別の提訴をしない旨の合意書にサインしているが、その合意書そのものが違法であると指摘されていること、早期退職プログラムに応募しなかった若手の従業員のみが再雇用の機会があること、などが挙げられている。
このケースはEEOCとAT&Tが和解に達しない限り控訴裁判所までもつれるのは必須で、目の離せない事例となりそう。しかしこれはAT&Tに限ったことではなく、経済の低迷が続く現状では従業員をレイオフ、差別の提訴をしない旨の合意書にサインを求めている企業も多い。
もし彼らの全てが再雇用を申請して雇用されなかった場合、差別訴訟の規模は想像を超えるものとなる可能性があるという。
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