募集・採用に関する相談課
管理職は社員の苦情にどう対処すべきか?
ある日系金融機関の人事管理システムはしっかりとしたものである。組織を運営するにあたっては、もちろん経営計画に沿って「いつまでにはどの部門に何人くらいのスタッフが必要」という人員計画表も毎年しっかりと作成していた。
ところが、その計画表には人種構成比が考慮されていなかった。各部門の責任者達も人種構成には無頓着に採用を重ねていた。
新社長が就任し、人事管理システムについての説明を求めた。人事担当は胸を張って現在の人事システムがいかに完成されたものかを説明した。社長は就任後2~3日間社内を見てまわった。
そして、異常にアジア系職員が多いことに気が付いた。そして、すぐさま人事担当を呼び、「アジア系職員が異常に多いように思いますが、法的には問題ないのでしょうか?」と聞いた。
担当者は、ハッとしながらも「法的には問題ないと思います。しかし、そんなに多いとは気付きませんでした。今後は人員計画表の中に人種構成も加味していこうと思います」と答えた。
こうしたケースは日系企業にはよくあることだ。社内の人種構成に偏りがあることに気付いているケースも多いだろう。まずは、客観的に数字として把握することをお勧めする。
ところで、法的な問題については「その会社が行っている事業形態や運営方法で変わってくる。たとえば、在米日系人をメインに事業展開するのであれば、日本人社員が多いのは当然だろう。しかし、募集広告などでは従業員15人以上の会社はタイトルセブンが適用され、「日本人募集」はできない。
この場合、「日本語のできる人」といった表記で対処する必要がある。また、採用についても、もし本人に会社が要求する能力(たとえば日本語が話せる)があった場合、日本人でないことを理由に不採用とすることはできない。国籍や人種、性別、年齢などを問わずに、等しく雇用機会を提供しなければならない。
たとえ社内の人種構成に偏りがあったとしても、こうした正規の手順で人事を行い、またその職務に必要なスキルを基準に採用活動を行っていれば、問題はないのである。
ただし、現地の社員を積極的に採用しようとすれば、それがEEOCなどの公的機関から高い評価を受ける(信頼を得る)ことは間違いない。
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