ハラスメントに関する相談課
セクハラ苦情処理係を設置して訴訟問題をなくした会社
製造メーカーF社は、あるセクハラ訴訟で敗訴したのを契機にして、独立したセクハラ苦情処理係を設置し成功している会社である。もともと、この会社でもセクハラ禁止のポリシーやトレーニングなど、しっかりした予防策を取っていたはずだった。
しかし、ある訴訟で苦情を受けた上司が幹部に報告せず、加害者を軽視したのを理由に、裁判所に会社側の責任を追及されてしまい、この機関を設置するに至った。
設置に当たっては専門家の意見を取り入れ、「単に苦情を受け付けるだけでなく、その苦情の問題解決に向けた幅広い作業を担うこと」を目指した。そして、全社員にその存在と役割を伝えたという。
そこでは、苦情の申し立てがあった場合、その担当者が具体的な内容を聞き出し、関係者を探って、即座に事情聴衆などの調査を行う。もし加害者と思われる人物が上級の管理職でも、苦情処理係の独立性が保証されているので躊躇はない。
秘密保持を最優先に各供述の内容の真偽を確かめ、公平・正確かつ簡潔な報告書をまとめて、指定された関係役員に配付する。
この会社で素晴らしいのは、係員が実際にセクハラがあったと判断してからの対処が迅速なことである。被害の大小に拘わらず、加害者に対しては直ちに何らかの制裁が加えられる。また、被害者に対しても次に取る手続きが説明される。
苦情処理係があることにより、適切な措置が決定され、その措置が同様の嫌がらせを撲滅するために機能しているのだ。
このような独立した苦情処理係の設置は、社員に「嫌なことがあったら気兼ねなく苦情申し立てができる」「たとえ会社のトップでもセクハラを受けたら苦情が言える」という安心感を与え、またセクハラの予防にもつながる。
なお、調査の過程で注意すべきポイントは、「入手した情報は必要最低限の関係者に対してのみ開示するにとどめる」ことである。
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