懲戒・解雇・レイオフに関する相談課
会社を批判した解雇社員に罵声をあびせて和解金を支払った
金融機関A社は、アメリカ人のローンオフィサーNをパフォーマンス不足により解雇した。解雇時の話し合いにおいてNは「こんな銀行にいつまでもいても仕方がないし、日本からの駐在員ばかりがマネージメントに就いてローカル社員は昇格もできない。たいした会社ではなかった」と言った。
この発言に気分を害した人事課長は頭に血がのぼり、売り言葉に買い言葉で「おまえほど役立たずは今までに見たことがない」とNに罵声をあびせてしまったのだ。
その後、Nは人事課長の言った『役立たず』ということを自分への侮辱として弁護士に訴えた。弁護士はA社に出向き、Nが侮辱罪で訴える用意があることを告知した。
慌てたのはA社である。早速、経営幹部は人事課長を呼び、事の仔細を聞いた。人事課長は「あれは、売り言葉に買い言葉だったのですよ」と弁明したが、経営幹部はそのまま状況を会社の顧問弁護士へ説明。顧問弁護士は「解雇時に話し合いの中で放言があった事実は曲げられない」という判断を下し、相手の弁護士との交渉を始めたのである。その結果、結局A社は和解金により示談に持ち込むことになる。
このケース、感情的な一言が高くついた例である。日系企業における日本人上司による解雇通達の場合は、あまり喧嘩腰になるケースは多くないかも知れない。しかし、どこに落とし穴があるか分からない。
解雇時の話し合いはあくまでも手短かに、解雇の理由だけを告げるべきだ。通常、解雇に至るまでには、その社員と上司の間で解雇に至る問題点は話し合わなければならないので、最後通告の時に時間をかけているようではダメ。そうした話し合いを持っていなければ、そちらの方が問題である。
最後通告は、5分を目安に、内容だけを明確に伝達すべきでもある。
第1巻
第2巻
第3巻


