報酬コストは昨年より2.2%増加
労働省統計局(BLS)のEmployment Cost Indexレポートによると、過去3ヶ月(4-6月)の報酬コストは0.7%増加、過去12ヶ月(7-6月)においては2.2%の増加となったことを発表した。
過去3ヶ月及び12ヶ月においてベネフィットコストの増加が賃金・給与の増加を上回っているが、概要は下記のとおり(原文のまま掲載)。
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Civilian Compensation Costs |
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Time Period |
Wages and Salaries |
Benefits Cost |
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3-Month |
+0.4% |
+1.3% |
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12-Month |
+1.6% |
+3.6% |
BLSによると、報酬総額に占める賃金・給与の占める割合は約70%であると報告している。
Employment Cost Indexレポートはまた、民間企業の報酬コストは過去12ヶ月で2.3%、地方自治体については1.7%の増加であったと報告している。
民間企業の動向2011
経済状況は依然として不安定ながら、向こう12ヶ月の民間企業にいうては重要な、且つ可能性のある分野への支出はいとわない、しかし採用が優先課題ではないことが最近のプレスリリースで報告されている。
民間企業のエグゼクティブを対象としたこのサーベイ、「PwC US’s Private Company Trendsetter Barometer」によると、向こう1年間の米国の経済について楽観的とした回答は43%で、前回の調査64%からより21ポイント減少、一方不安定な経済状況は増加するとした回答は42%で前回の29%から13ポイント増加した。
売り上げの予測についても状況は改善しているものの、向こう1年間の増加予測は平均で9.5%で1年前の9.1%からは多少上向きとはなっているものの不透明感は払拭できていないという。
また海外への製品輸出、サービス業における増加予測は9.5%で1年前と同率になっている。
ビジネスの最先端を志向する企業については積極的な経営者も多く、88%が業績は上向きとなると回答、そのうちの40%が2桁、48%が2桁に近い一桁の成長を予測している。
採用については向こう1年間で採用を予定しているとした回答は58%、一方削減とした回答はわずか3%に留まった、そして現状維持が39%という結果であった。
企業によっては優秀な従業員の確保が十分でないため今年の成長予測に歯止めがかかっていると見る向きもあり、クリエイティブな優秀な人材を確保するための方策として合弁や買収も予測されている。
PwC Private CompanyのKen Eschは、「多くの企業が利益確保を前提に活動しており、その中で採用などの経費増については見直しを始めている」、「IT分野についての投資は積極的に進める企業も多く、これが採用の見送り、間接費用など全体の経費削減の可能性を追求している傾向にある」とコメントしている。
新規採用社員の報酬は増加
SHRM は毎月メンバー1000社を超える企業からのサーベイを実施、SHRM LINE Reportとして発表しているが、7月については新規採用が難しくなっていること、それに伴ない新規採用の報酬も上昇していることが明らかになっている。
SHRM(The Society for Human Resource Management)のLINE(Leading Indicators of National
Employment)Reportによると、8月の新規採用は減少すると見込まれている一方、7月においては新規採用が一段と難しくなったことが人事責任者の回答として報告されている。
また8月におけるサービス業の新規採用は2010年と比較して19.1ポイントの大幅な減少となると予測している。
SHRMのJennifer Schrammは、「8月のLINE Reportの新規採用予測インデックスはレイオフの増加を危惧している、特にサービス業は2010年の2倍を超えるのではとの予測もある」、また「テンポラリーの採用が労働市場の回復に妨げとなっているのか、あるいは問題の兆候に過ぎないのかを見てゆく必要がある」とコメント。
8月の予測では、製造業の49%が採用を予定しているが、13.4%は仕事の削減を予定している。採用全体は昨年の8月と比較して減少すると見ており、全体では採用を予定していると回答した企業は半数以下の44.9%となっている。
サービス業においては3分の1(34.5%)が8月の採用を予定、15.3%が仕事を削減予定と回答、2010年の8月の回答は44.3%が採用予定、仕事を削減するとした回答は6%であったことから、全体では19.1ポイントと大幅な減少を予測している。
採用については、7月の製造業における新規採用の難しさを表すインデックスは昨年同月と比較して11.2ポイント上昇、サービス業は2.7ポイント上昇しており、核となる人材、技術
者など人材の確保については今後も難しさが増すと見られている。報酬は逆に製造業が2ポイント、サービス業が5.8ポイントの上昇となっている。
スポーツ選手の収入トップはタイガーウッズ
Forbsが最近発表したスポーツ選手の収入は経済低迷の状況を反映しているものの、Tiger Woodsが男性部門では第1位、女性ではテニスのMaria Sharapovaが第1位となった。
下記のリストでは男性、女性スポーツ選手の格差も浮き彫りになった感もあり、女性の1位Sharapovaの収入2500万ドルはWoodsの約3分の1で男性のトップ10にも該当していないことも明らかになっている。
下記は男性、女性のスポール選手それぞれのトップ5の年収(単位100万ドル)。
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1. Tiger Woods |
$75 |
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2. |
$53 |
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3. LeBron James |
$48 |
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4. Roger Federer |
$47 |
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5. Phil Mickelson |
$46.5 |
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1. Maria Sharapova |
$25 |
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2. Caroline Wozniacki |
$12.5 |
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3. Danica Patrick |
$12 |
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4. Venus Williams |
$11.5 |
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5. Kim Clijsters |
$11 |
Retaliation -報復措置
Discrimination、Harassment、そしてRetaliationは雇用関係における「BIG 3」といわれている。
人事労務管理を円滑に進めるにはBIG3の回避が必須であり、それが円滑な企業運営につながると言っても過言ではない。
報復措置とは何なのか、どんな時に起こりうるのか、概略をは下記のとおり。
報復措置とは何か?
報復措置は、解雇、降格、昇給拒否など雇用主が従業員に対し、雇用に関する何らかのアクションを行なった時に起こりうる問題である。
雇用主は下記のような保護されるべき行動については従業員に対し報復的な行為をしてはならない。
●選挙の投票や陪審員出席などの市民としての義務行為。
●職場の危険な状況についての報告。
●違法行為と思われることの報告及び違法行為への参画拒否。
●病気による休暇。
●Workers’ Compensation Claimの申請。
●ハラスメント行為の苦情申し出。
●障害者保護条例(ADA)に基づく職場における適宜の便宜のリクエスト。
●ユニオンに関する活動への参加。
●兵役休暇の申請。
2次的クレーム
報復措置は時として2次的なクレームとして発生する。例えば従業員がセクシャル・ハラスメントの苦情を提出、その苦情を出したことにより異動、懲戒、あるいは解雇などは報復的な措置と見なされる可能性がある。また場合によっては報復措置による苦情がメインのクレームとなることもある。
なぜか?陪審員は従業員に同情的であること。また雇用主は従業員からの苦情を覆すに十分な証拠を提出できない場合があり、その場合にはオリジナルの苦情とそれに対する雇用主の報復的措置の2つが問題視され、時には報復的措置の過失の方が大きい場合がある。
報復的措置の表面化
多くの報復的措置訴訟は不運なタイミングで発生することがある。たとえば従業員が休暇を申請、セクシャルハラスメント、あるいはCal/OSHA(職場の安全基準)などの苦情申し出後1-2週間後に解雇されるなど(本来は別の理由で解雇となることが多い)。
このような場合雇用主は解雇理由について確固たる理由を証明しなければならない、これが不十分であると報復的措置として違法行為とみなされる。
BIG3の芽を摘む
Californiaの雇用主は、差別、ハラスメント、報復的措置の法的訴訟問題で州政府の調査官、あるいは代理人の弁護士などと向き合うことになる。
そしてこれらの苦情は法的また財務的なリスクを抱えることになる。
●事前の防止が非常に難しいーつまり弁護することがさらに難しくなる。
●たとえ裁判に勝訴しても会社の評判や社内のモラルなど大きなダメージに直面する。
●敗訴した場合にはペナルティや損害賠償など莫大な支払いが予期される。
さらにCaliforniaはBIG3について従業員に好意的なルールが基本にあり、連邦政府の条例とはかなりの隔たりがある。そのため日常からスーパーバイザー、マネージャー、人事責任者など職場におけるBIG3のトレーニングを積極的に推進、たとえ問題が発生しても最小限に留める状況を構築しておくべきである。
(Q) & (A) I-9とペイロール
(Q)新規採用の社員が勤務を始めて3日後にI-9の不備が判明、解雇となった。この従業員のペイロールはどのようにしたら良いか?
(A)一言でいえば、働いた従業員に対してのペイロールを回避する方法はない。雇用主は従業員の実働時間についてはその従業員の就業許可の書面の有無にかかわらず支払いをしなければならない。
IRSは雇用主に対し、従業員のI-9の如何にかかわらず源泉することを求めている。
一方米国市民・移民サービス局(USCIS)の「I-9 Handbook for Employers」においては移民改革管理条例(IRCA)の遵守を求めているが、それには不法労働者への支払い責務については言及していない、つまりUSCISは不法労働者の賃金の支払いというよりは移民管理に重点を置いているのが現状である。
しかしながら労働基準法(FLSA)では、雇用主は従業員の実働について支払いの責務があることを明記しているため、雇用主は今回の状況について再発しないよう十分な注意を要する。
FLSAおよびIRSの条例を遵守するには、①源泉徴収をし従業員への支払いを行なう②源泉徴収分のTaxをIRSに支払う。
再発防止のために雇用主は、①新規従業員が働き始める前に就業許可の確認を求める、②募集要項に「就業許可保持者に限定する」旨を明記する。
さらに新規採用の従業員が働き始める前に全ての必要な書面を完了させておく、I-9の確認が完了するまで就業を許可しない、ペイロールに伴なうSocial Security Cardの確認などが必要である。
従業員の分類ミスで10万5000ドル
米国労働省(DOL)はハリケーンIKEの被害による瓦礫の清掃会社の従業員57名について、会社側のIndependent Contactorとしての分類は間違いであるとして提訴していたが、会社側がそれまでの未払い給与総額10万5000ドルを支払うことで合意した。
労働省賃金・時間課によると、会社のオーナーCecil Parkerは従業員をIndependent Contractorに分類、賃金の支払いを実働時間分で計算、週40時間を越えても残業代の支払いをせず労働基準法(FLSA)違反に問われていた。
労働省の調査官は従業員の聞き取りとペイロールレコードの再調査を行なった結果今回の事実が判明、Parkerは未払い賃金の支払いに合意、またFLSAの遵守も義務付けられた。
労働省はTexas州南東部における監査は継続しており、ハリケーン被害の復興のために従事している労働者に改めて、連邦政府、州政府の賃金、雇用主の条例の遵守、労働者の権利などについて広く普及活動を行なうことを表明している。
92万ドルの損害賠償と未払い給与
米国雇用機会均等委員会(EEOC)は連邦政府機関のひとつFRA(Federal Railroad Administration)が従業員を解雇したことについて差別と報復措置があったとして提訴していたが、第十一巡回控訴裁判所は下級裁判所の裁定を支持、FRAに対し92万3656ドルを支払うよう裁定した。
FRAは設備検査官として勤務していたDonald Gryderを解雇したが、GryderはFRAが彼を解雇したのは差別行為の事実をEEOCに提訴したからで報復措置によるものであると主張。
陪審員はGryderを支持し遺失賃金として25万ドルの支払いを裁定した。
しかし地区裁判所はGryderの解雇は何の根拠もないものであるとしてFRAの非を裁定、陪審員の裁定と併せてFRAに彼の復職と未払い給与および損害賠償として総額92万3656ドルの支払いを命じる裁定を下した。
労働基準法違反で8万3000ドル
Texas州Fort WorthのAmerican Airlines Federal Credit Unionは従業員の残業代、賃金支払いの記録管理について労働基準法違反(FLSA)で提訴されていたが、同社は窓口担当、ローンオフィサー、カスタマーサービスなど295名の従業員に8万3608ドルを支払うことに合意した。
労働省賃金・時間課(WHD)のCynthia Watsonは、「賃金条例は実働時間の正確な計算、Non-exempt従業員には週40時間を超えた実働時間については通常賃金の1.5倍を支払わなければならないと規定しており、会社は適正な残業代を支払わないで利益を得ていたことになる」とコメント。
Dallas 管区のWHDの監査では、同社は従業員の分類をExemptとしながら実働時間の時給を支払い、40時間を越えた実働も通常の時給を支払っていたこと、また従業員の実働時間、賃金支払いの記録管理が適正になされていなかった。
残業代の未払い83万ドル
Kinder Morgan Inc.およびKinder Morgan Energy Partners LPは労働基準法(FLSA)違反として提訴されていたが、4659名の現職、元従業員に総額83万ドルの未払い賃金の支払いに合意、労働省と和解した。
労働省賃金・時間課(WHD)はKinder Morganの11拠点(Arkansas、Colorado、Louisiana、North Dakota州)についてFLSA違反があるとして提訴、同社が従業員に支払ったボーナス、通常賃金が残業代金に反映されていなかったこと、シフト勤務に入る前のミーティングその他の時間が実働に含まれていなかったことが問題視された。
FLSAでは従業員にボーナスを提供することは求めてはいない、しかし会社側の自由裁量のボーナスが支払われた場合、それは通常賃金に含めて残業代を計算しなければならないとしている。
FLSAでは週40時間を越えた実働は通常賃金の1.5倍を求めており、また最低賃金(現在の連邦最低賃金は$7.25)以上の支払い、そして賃金支払いのレコードの正確な管理を雇用主に求めている。
今回の合意は地区裁判官の承認後に確定する、また同社は今後のFLSA違反について遵守することが求められた。