2012年の採用動向は前向き
米国企業は2012年の採用については、3社に1社が業務の拡大に伴なう増員を計画しているなど、全体的に楽観的な見方であることが今回の調査で明らかになった。
1年前の調査では5社に1社が業務拡大と増員について前向きであると回答していたが、今回の調査では大幅に改善された結果となった。
下記はその概要(原文のまま掲載)。
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It will be a year of growth and recovery marked by increased hiring and new talent development initiatives. |
36% |
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It will be similar to 2011 with sluggish hiring and postponed HR initiatives. |
55% |
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It will be a year of stagnation with more cutbacks and restructurings. |
11% |
今回の調査を行なったManpower Group傘下Right ManagementのEVP、Bram Lowskyは、「企業は1年前と比較して経済状況とビジネスそのものについて大きく前進、積極的になってきている。過去2年間においての積極性はビジネスを後退させないためのものが多かったが、今後はビジネスの拡大、増員ともにデータに裏付けられる現実のものになると確信している」とコメント。
健康志向プログラム
Fidelity Investmentsと非営利団体National Business Group of Healthが行なったサーベイによると、多くの企業は従業員に対する健康志向プログラムのインセンティブを2012年について増額すると回答している。
このサーベイはFidelityとBusiness Groupが2009年から従業員1000~1万2000名の企業を対象に行なっているもので、現状の体調管理、ライフスタイル、リスク管理など職場の健康志向プログラムについての内容となっている。
2011年のサーベイ概要結果は下記のとおり。
●73%が従業員の健康志向あるいは改善プログラムを実施している。
●プログラム費用の平均は一人当たり年間460ドル、この金額は2009年の260ドル、2010年の430ドルと増加傾向が続いている。
●従業員はこれらの金額を、キャッシュ、ギフトカード、HSA(Health Savings Account)など様々なインセンティブに使用している。
●57%が健康志向プログラムは個人が思ったより結果は良かったと回答している。
FidelityのSVP、Adam Staviskyは、「健康志向のインセンティブプログラムは長期に渡るものだが、企業はそれについて内容の改善や費用の増額などのサポートを継続してきており、インフルエンザ摂取、体重コントロールなど、どんなプログラムが職場や従業員に最適なものであるかの結果が見られる年になると思われる」とコメントしている。
また2012年に健康志向プログラムを提供している企業の53%が配偶者や扶養家族にも提供すると回答しており、2010年の39%、2011年の46%からさらに増加傾向は続いている。一方健康志向プログラムに参加してもクリヤーする基準に届かなかった従業員については、保険料負担の増額や控除額の引き上げなどのペナルティを課す企業も増加しており、2009年は9%であったが2012年は20%がペナルティを課すとしている。
職場のいじめと暴力行為
SHRM(Society for Human Resource Management)が行なった調査によると、約半数の企業において職場でのいじめや暴力行為が起きており、モラルの低下、ストレス増加、従業員間の信頼関係の低下などが指摘されている。
今回のサーベイで職場のいじめ行為は「Workplace Bullying」としてオンラインでSHRMのメンバー401社からの回答結果を集積、分析したもので、48%がある程度定期的に、34%がたまに職場でのいじめ行為の報告を受けていると回答している。
その中で人事担当者が標的になった例が約27%あったと回答している。
SHRM Research CenterのEvern Esenは、「職場のいじめ行為は、従業員に様々なインパクトを与えるが、モラルの低下、ストレス増加、従業員間の信頼関係の低下がトップ3となっている。さらに離職率の増加、マネージメント不信、欠勤の増加なども報告されている」とコメントしている。
また別途発表された職場の暴力「Workplace Violence」については3分の1強の企業が過去に職場で暴力行為が起きたことがあると回答、頻度については45%が複数回起きている、40%がたまに起きている、増加しているとした回答が15%であった。職場の暴力行為が従業員にもたらす影響はいじめと同様でモラル、ストレス、信頼関係というものであった。
(いじめ行為におけるポリシー、トレーニング、対処方法)
●ポリシー
44%がいじめ行為のポリシーは持っていないし、設定の予定もないと、40%が職場のポリシーの一部としている、また13%が年内にポリシーを設定を予定、3%が別途ポリシーを設定しているという回答であった。
●トレーニング
人事担当者の35%、マネージメントレベル従業員の34%がいじめ行為防止のトレーニングを受けたことがあると回答、一方28%の会社が一般職の従業員に、同じく28%がエグゼクティブにトレーニングを実施したことがあると回答している。
●対処方法
○社内で調査する 65%
○書面での警告 40%
○パフォーマンス改善プラン 27%
○カウンセリング・EAP(Employee Assistance Program) 24%
○停職 17%
○解雇 13%
○カウンセリングの強制 11%
そのほか、異動、トレーニング、休暇、降格、などが挙げられている。
人事担当者の77%が、いじめ行為の調査、書面作成、処分については責務があると回答、また被害届けについては89%が人事担当者および部門長に報告すると回答、そのほか加害者の上司、自分の上司などとなっている。
職場のいじめ行為があった場合の大半(87%)は人事担当者が窓口となり対処する、また犠牲者、関係者への回答はマネージメントレベルからが46%、エグゼクティブからが28%、直属の上司からが20%となっている。
被害に遭ったいじめ行為の内容は様々であるが下記が主な概要となっている。
●大声で怒鳴る、ののしる、いやみ、あてこすりなど、口頭での悪態を言う 73%
●維持の悪いゴシップや噂、虚言を流す 62%
●脅迫的な行為 50%
●意地の悪いからかい 47%
●仲間はずれ 43%
●攻撃的な言葉 38%
●越権行為 36%
Evern Esenは、「職場のいじめ行為は前述の通り従業員に大変大きな悪影響を与えることになり、全体の生産性にも大きな影響が出る可能性がある。したがいHR責任者やマネージメントはそのような行為に対する防止策、トレーニング、実際に起こった場合の報告や対処についてフォーマル・インフォーマルを問わず何らかのポリシーの設定を薦めたい。そして従業員と十分なコミュニケーションを計りながら理解を深めることが重要である」とコメントしている。
(Q) & (A) 就業規則
(Q)就業規則を持っていない場合の危険なこととは何か?
(A)オペレーションの側から見ると、従業員は会社のルールやポリシーが解らないため適正な行動、対処ができない。
法的な側から見ると、就業規則は最善、あるいは唯一の会社の規則を従業員に提示できるものであり、会社が提供すること、会社の従業員として守るべき規則、そして法的に遵守する項目が全て明確になっており、従業員、マネージメント双方の誤解が極めて少なくなる。
このように就業規則がないと訴訟問題の際に、「知らなかった」、「何が適用されるのか」など、会社側の対応が不十分となり、不利な結果となることは明らかである。
必要最低限の会社のルールやポリシーを従業員に知ってもらう、理解してもらうことは必須であると理解すべきである。
(Q) & (A)宗教的な品物の陳列
(Q)机上に家族や友人の写真を置いている従業員は多くいるが、宗教的な品物を置くことも認めなければならないか?
(A)会社が宗教的な品物を置くことを禁止するポリシーを持っていれば認める必要はない。例えば、個人のスペースにおいては認めるが共有のスペースには認めないなど、明確なポリシーを構築することが必要となる。
採用過程の差別で300万ドル
労働省はFedEx Corp.の子会社であるFedEx Ground Package System Inc. およびFedEx SmartPost Incで採用過程
における差別行為があったとして提訴していたが、労働省管理下のOFCCP(連邦政府契約遵守プログラム局)が同社と調停に合意した。
労働省によると、FedExは15州、23のオフィスで集採用過程において人種、性別、国籍などで特定の人選を行なったことが判明、Executive Order 11246(大統領命令11246)に違反していることが明らかとなった。
今回の差別行為で男女を問わず、またアフリカ系アメリカ人、白人、ヒスパニック、アジア系など1700名余りの応募者が影響を受けたとされる。
調停の合意によりFedExは2万1635名の応募者に対し遺失賃金として300万ドルの支払い、またその中の1703名については応募のポジションに適格であるとして採用を内定した。
OFCCPの歴史において2万1635名の応募者が不採用となった集団訴訟は初めてという。
労働長官Hilda L. Solisは、「労働省は労働者の保護、職場の多様化を積極的に支持して行く、また連邦政府とのコントラクターを管理する条例については今後ともさらに厳しく取り締まる」とコメントしている。
洗車会社の訴訟
Los angelesの労働局は洗車会社3社に対し賃金・時間条例に違反しているとして提訴、未払い賃金、罰金、損害賠償など総額で200万ドルの支払いを命じた。
労働局のJulie A. Suは、「会社は従業員に支払うべき金額については100%条例を遵守しなければならない。従業員のベネフィット、賃金など彼らが受けるべき権利について搾取することは重大な過ちである」とコメント。
今回の訴訟では、最低賃金、残業代、記録管理、賃金明細の提示、さらに食事、休憩時間の違反なども含まれている。
Suは、「今回の提訴において会社側は正確な記録管理が出来ていないため、従業員は実働時間が適性に支払われているかどうかさえ証明できない。この慣習が続いてきたことは賃金の搾取が今まで横行して来たことに他ならない」と会社側を強く批判している。
宗教差別
EEOC(米国雇用機会均等委員会)はConvergys Customer Management Groupを宗教差別的な行為があったとして提訴していたが、同社が1万5000ドルを支払うことに合意したと発表した。
EEOCによると、イスラエル人の男性はConvergysのコールセンターにカスタマーサービスとして応募した。採用担当者はインタビューの中で週末も勤務が必要であることを説明したが男性は宗教上の理由から土曜日は「安息日」とされ、日の出から日没まで働くことが認めらていないことを説明、しかし担当者は他の選択肢の有無を説明することなくインタビューを終了した。
宗教差別条例では、応募者でも宗教上の理由による適宜の便宜のリクエスすることが出来ると規定している。また仕事をオファーされた応募者が宗教上の理由からスケジュールの調整をリクエストした場合に雇用主はそれを承認すると規定されている。
今回の和解でConvergysは1万5000ドルの支払いと採用担当者のトレーニング、今後2年間の採用についての報告義務が課せられた。
EEOCの弁護士Barbara Seelyは、「応募者は宗教上の適宜の便宜について選択肢の説明を一切受けることがなく一方的にインタビューが打ち切られたことは宗教上の差別行為にあたる。数多くの従業員が同じ仕事をしている場合、スケジュール調整のリクエストは決して法外なものではないし、雇用主は前向きに受け入れるべきである」とコメント。


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