人事管理ドットコム会員の皆様
2012年最初の人事管理エクスプレス340号をお送りいたします。
本年度も何卒よろしくお願い申し上げます。
人事管理ドットコム一同
NLRAポスター掲示義務再度延期
人事管理エクスプレス334号で全米労働関係委員会(The National Labor Relations Board – NLRB)の「従業員の権利に関する」条例実施に伴ない、ポスター掲示を2012年1月31日からとお知らせしましたが、再度2012年4月30日まで延期された。
この条例はObama大統領のExecutive Orderにより2009年1月30日に署名されたもの。
ポスターのダウンロードは下記のサイトから入手できるので一般的には特に購買の必要はない。
Poster Downloads
PLEASE NOTE: The poster is required to be 11 x 17 inches, in color or in black-and-
white. When printing to full size, be sure to set your printer output to 11 x 17. Or
you may print the two 8.5 x 11 pages and tape them together.
(English version)
● Employee Rights Under the NLRA poster, two-page 8.5 x 11 version (pdf)
● Employee Rights Under the NLRA poster, 11 x 17 version (pdf)
(Spanish version)
● Spanish language poster - two-page, 8.5 x 11 version (pdf)
● Spanish language poster - 11 x 17 version (pdf)
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-8-5×11.pdf
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employee_rights_nlra.pdf
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-8-5×11-esp.pdf
https://www.nlrb.gov/sites/default/files/documents/1562/employeerightsposter-11×17-esp.pdf
クレジットレポート取得の制限
新規社員採用についてバックグラウンドチェックを行なうのは一般的であるがそれに伴ないクレジットレポートも併せて行なう企業も多い。
2012年California州においては雇用主にクレジットレポートが取得できるポジションが大幅に制限され、また取得したレポートは本に提示する義務が求められる。
該当するポジションは基本的には、州政府司法省、法律制定委員会など8ポジションであるが一般民間企業については下記の5つのポジションと思われる。
1.California州の賃金・時間条例に基づいたExecutive Exemptionに該当するマネージメントポジション
2.個人の銀行口座、クレジットカード、ソーシャルセキューリティ、誕生日などの個人情報に日常的にアクセスするポジション。
3.会社の銀行口座やクレジットカードにアクセス、振込みなどの業務、および金融機関との契約に携わるポジション。
4.企業機密にアクセスするポジション。
5.顧客などに対し日常的に1万ドル以上のキャッシュを扱うポジション。
障害者の採用
DOL(米国労働省)は連邦政府とのコントラクターおよびサブコントラクターについて少なくとも7%の障害者従業員の採用を求める法案を提出した。
DOLは法案を12月8日に提出、2012年2月7日までOFCCP(Office of Federal Contract Compliance Programs)で一般からの意見を受け付けている。
OFCCPは7%の雇用をゴールとして4~10%の範囲での採用についてのコメントを希望している。
法案提出の目的は1973年に制定されたRehabilitation Act of 1973の中のAffirmative Action Planに基づくもので、40年 間変更されないまま推移、連邦政府のコントラクターに障害者の雇用促進を促すこととDOLはコメントしている。
また職場における適宜の便宜、在宅勤務などのさらなる考慮も含まれている。
労働副長官Seth D. Harrisは、「現状は議会が意図している水準にまでは届いていないこと、また増加も思うように進んでいないこと、また失業率も障害者の場合 15%近いのが現状で全体の失業率(9%)よりはるかに高く、改善することが必要である」とコメントしている。
Independent Contractorと従業員の分類ミス
Independent Contractor(IC)と従業員の分類については今までに数多くの問題が提起され多額の賠償金が支払われたケースも珍しくない。
California州では2012年1月1日からS.B.459条例により、従業員を故意にICとした場合「故意の分類ミス」として企業に制裁金を課すことが実施された。
この条例の目的は従業員の分類を適性に行なうよう企業に対する指導で、違反した場合には1件につき1万5000ドルから2万5000ドルの罰金が課せられる。これについてはLabor and Workforce Development Agency (LWDA)が監査、制裁金などの権限を有する。
また 個人としても企業の分類ミスについて労働委員会に苦情を申し立てることが可能となった。
さらに企業が従業員に対し分類ミスがあったと気づいた場合には速やかにウエブサイト、あるいは職場にその旨の数値を掲載しなければならないなども規定された。
サーベイ 賃金・時間訴訟費用
850名の弁護士を擁する国際弁護士事務所事務所Fulbright & Jaworskiが行なったサーベイ「Fulbright & Jaworski Litigation Trends Survey」によると、賃金・時間に関するものをはじめ雇用関連の訴訟費用は継続的に増加しており、費用の固定化や上限を設定するなど様々な方法が模索されているという。
2011年において米国企業が雇用関連で拠出した 平均訴訟費用は140万ドル、経費予算の最大を占めた企業が回答の20%、さらに25%が2012年度は予算を増額すると回答している。また雇用関連に限らず、契約その他に関する訴訟費用の予算も2010、2011年に続き2012年も増額する必要があるという見方が多数を占めている。
また元来の時間当たりの請求から代替の費用請求方法を取り入れる企業が増加しているのが実状で、顧問弁護士、財務担当者は経費の削減を模索する一方、予算確保の難しさに苦労しているという。
代替の費用請求を利用する企業が増加してはいるものの、元来の時間当たりの請求方法を利用する方が現状は多く、回答者の70%が代替の費用請求方法を利用するのは 全体の30%程度に留まっている。
代替の費用請求は、成功報酬制度が主流となっていたが、固定費用(62%)、成功報酬と固定費用の組み合わせ(59%)、費用上限設定(51%)などとなっており、利用方法、費用の算出方法など今後も変化が見られると予測されている。
また回答の20%が、賃金・時間における複数原告の訴訟が増加していると回答、 昨年の18%から更に増加傾向にある。産業別では小売および卸売り業界で賃金・時間に関する訴訟は37%増加している。
2012年については、 40%が賃金・時間に関する複数原告の訴訟が引き続き増加すると回答している。また差別に関する訴訟も増加すると予測されており、40%が2011年度における賃金・時間あるいは差別などの訴訟が2010年より増加したと回答。
43%が、原告から見れば賃金・時間の訴訟は金銭に直結しているから一番手っ取り早いのではないかと回答していることが真実を突いているかもしれない。
ハラスメントは男女格差が大きい?
ハラスメントの問題は複数の従業員が働く企業においてはどこでも起こる可能性があると言えるが、そこには男女格差が大きく左右するのが実際で、下記はその一例だが、やはり男性の方が気をつけるべく課題が多いと言える。
1.3人の男性と女性
3人の男性と1人の女性が休憩室で雑談、1人の男性が男女の性について話し始め、耐え難いような詳細の描写に言及したケース。
「女性が1人であったことを考えるとそれについてなかなか否定できるものでなく、結論から言えば“不快な気持ちを抱く”ことは当然である」。これがマネージメントへの苦情申し出となり、女性従業員に与えたダメージとして問題化する可能性も否定できない。
2.3人の女性と1人の男性による同様のケース
頭では話の内容そのものは1.2.共に不適切であることは大半の人が理解している。しかし男性が受ける印象として、「話の内容に興味を持って聞く、あるいは話を聞きたくてそのテーブルまで行く」、それほど男女の受ける印象は違うという。
このような状況であればハラスメントの苦情とはなりにくいが、内容そのものが不適切であることを認識すべきである。
(SHRM年次総会の公演内容の一例より)
(Q) &(A)応募者の審査・選抜
(Q)当社は製造業で工場での従業員は身体的な健康体も要求される。最近採用の従業員も結果としてパフォーマンスが良くないために解雇、離職率も高く生産性にも多大な影響を与えている。
肉体的な職務内容を前定に条例を遵守しながらどのように応募者を審査・選択すべきか?
(A) 応募者の採用におけるテストと選択の過程は大変重要であり将来の戦力養成には欠かせないものである。しかし同時に採用過程で連邦の差別条例(Antidiscrimination Law)に抵触してはならない。
また公民権第Ⅶ章(Title Ⅶ)、ADA(障害者保護法)、ADEA(年齢差別法)などで人種、肌の色、国籍、信条、障害、年齢、宗教、性別などで雇用における差別行為は一切禁止されている。
したがい要求される身体的なテストについては、1)職務遂行上必要不可欠であること、2)安全性と生産性の両面において必要であること、が求められる。また採用プロセスにおいて常に一貫した方法で行わなければならないことと、差別的な要素は一切介入してはならない。
上記を踏まえた上で応募者の選抜を行なうことになるが、標準的なテストについてパスした者、そして履歴書から過去の職歴・能力・仕事における安定性などを面接により最終選択することになるが、複数の面接官で行なうことを薦める。直属の上司と人事担当、あるいはスーパーバイザー、マネージャーなど複数の評価結果よる最終決定の方が成功の確率は高くなると言える。
(Q) & (A) 試用期間(Orientation Period)の遅刻
(Q)新規採用の従業員の出勤について試用期間中は遅刻してはいけないと規定することが出来るか?
(A) 可能である。
新規採用の従業員のトレーニング期間として別途厳密な規定を課すことは問題はない。但しこれは新規採用の従業員全てに適用しなければならない。
一例であるが、ある黒人従業員が入社した会社では最初の1ヶ月間遅刻してはいけないと通知されたが、彼は2度目の遅刻で解雇された。彼は他の従業員で永年勤務する白人従業員は彼と同じ規定を遵守していないとして、差別行為であると会社を提訴した。
しかし裁判では、新規採用の従業員と比較することは出来るが永年勤務している従業員と比較することは出来ないとして彼の申し出を却下している。

